西国IR認定ニューロフットリフレクソロジー
講師 飯野由佳子
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ニューロフットリフレクソロジーとは、ニューロ=神経系、フット=足、の名の通り、神経系に対して足へ集中的に働きかける、新たなテクニックを用いたリフレクソロジーです。考案したのは、フェイシャル・リフレクソロジーの創案者、ロネ・ソレンセン。彼女は元々フットリフレクソロジスト。リフレクソロジー大国デンマーク出身の彼女が、日本の私達に再び新たな文化と可能性をもたらしてくれました。 |
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| ニューロフットリフレクソロジーとの出会い |
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私が初めてニューロフットリフレクソロジーを学んだのは、2005年4月です。それはロンドンのカンファレンスセンターで開かれた、英国最大のリフレクソロジー協会Association of Reflexologists(AoR)会員向けのセミナーでした。このコースはフェイシャルリフレクソロジーと同じく、元々プロフェッショナルリフレクジストのアドバンスド・コースとして行われているものです。英国でも初めてニューロフットリフレクソロジーが紹介されるとあって、ゆうに100名以上のイギリス人リフレクソロジストたちが集まっていたでしょうか。
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既にロネはイギリスでも大変な尊敬と人気を集めており、これから始まる新しいリフレクソロジーに、出席者の大きな期待と熱気が渦巻いていました。カンファレンスルームでスポットライトを浴びているロネは、その期待にたがわず、既存の枠にとらわれない理論を息つく暇なく展開していきます。良くも悪くも"伝統"を大事にするイギリス人たちを前に、歴史を塗り変えるような独自の"新しい"リフレクソロジーで、会場を完全に引き込んでいったのです。その内容は、補完療法士としての解剖学の知識を頭の中でフル回転させ、繊細な感覚や指さばきが必要とされる、理論も実技も文化と呼べるほどのものだと感じました。もはやバルセロナや日本で私の隣にいてくれるロネの姿はなく、これほどのものを創り出してしまう圧倒的な存在であることを目の当たりにした瞬間でした。確固たるソレンセン・メソッドを大切に日本へ紹介していかなければならないと、改めて身の引き締まる思いをしたのでした。そして同時に、足に対するセラピーをこのように専門的にとらえた文化に興味を持ち、100人以上が集まる国がある一方、日本にはまだそれがないことに、フラストレーションを感じたのも事実です。
しかしそれから時が経ち、2010年3月。このニューロフットリフレクソロジーコースが、いよいよ日本で開講されます。開講にあたり、ロンドンで受けた衝撃「ニューロフットリフレクソロジー」についてご紹介させていただきたいと思います。
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| ニューロフットリフレクソロジーとは |
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全身臓器の機能低下や疾患は、脳からの刺激が脊髄神経に十分に届かないことが要因となり引き起こされると考えることができ、脊椎への刺激が非常に重要になってきます。これに対してニューロフットリフレクソロジーでは、足の脊椎反射区へ働きかけていきます。なぜ直接脊椎に働きかけず、足へ働きかけるのでしょうか?それは、脊椎を直接施すには、一定の専門的知識や技術がなければ危険を伴うからです。反射学を利用し、足の脊椎反射区へ働きかけるのであれば、医療に携わらないセラピストでも行えます。また、ロネ曰く「神経学的刺激は全て効果が上がる」とのこと。例えばかっけの検査で、膝をたたくと同時に下肢が上がり、神経の連携があればすぐに身体が反応するのを思い出してください。足の脊椎反射区へ神経学的に働きかけることは、身体に対して即効性や大きな効果が望めるのです。 |
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更にこのニューロフットリフレクソロジーでは、姿勢や骨格をあるべき位置へ矯正していくことにも着目します。脊椎脇の脊柱起立筋に緊張、ゆるみ、ゆがみがあれば、筋肉が然るべき位置にないことから、脊椎に影響を与えます。椎骨と椎骨の間のスペースが一方は広く、一方は狭くなるのです。広い所は更に広がり、椎間板が飛び出して神経圧迫することが考えられ、狭くなった所も神経を圧迫します。頚椎の神経が圧迫されれば、喘息、聴覚や視覚の障害、甲状腺疾患に結びつくことが考えられ、胸椎であれば呼吸器系、循環器系、消化器系などに疾患をもたらすこと、腰椎であれば生殖器系などに影響を与えることが考えられ、様々な身体の不具合は、脊椎の神経圧迫と関連します。足裏から脊柱起立筋に対する反射区を刺激し、骨格を然るべき位置へ戻していくことを目指しながら、トリートメントをしていきます。
また、ニューロフットリフレクソロジーのテクニックで大変興味深いのは、脊椎反射区を微細に触れることで、感情によってできる滞りを探ることもできることです。何歳の時、感情的負荷が掛かったのかを知ることが可能です。
残念ながらフェイシャルリフレクソロジーでは、この"脊椎のゆがみ"に対して補いきれていないのです。フェイシャルリフレクソロジーとニューロフットリフレクソロジーを組み合わせることによって、クライアントに対し、より焦点を絞った技術を提供することが可能になるでしょう。ロネは、障害のある方へのトリートメントを中心に行ってきましたが、これらの理由から、必ずこのニューロフットリフレクソロジーのテクニックを入れてきたといいます。成果が上がるからです。
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ニューロフット・リフレクソロジーの歴史
古代チベットの医師ドクター・ポーは、馬に乗って不調、疾患のある人々を診ていました。彼のテクニックは、患者を座らせて背中を丸めさせ、脊椎脇の筋肉を十分に温めた上で、滞り(ディポジット)を探るというものでした。滞りが脊髄神経に影響を与え、臓器の機能低下と関係する、ということを既に知っていたのです。そして、肘を使い、椎骨と椎骨の間を開けていき、病人を回復させていきました。
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| インストラクター研修の様子 |
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ひるがえって現代。顔への働きかけと足のリフレクソロジーの改善にのぞんでいたロネは、足を介して中枢神経に働きかけることを学ぶべく、アルゼンチンの大学で神経学を学び直していました。脊椎から中枢神経、枝分かれした末梢神経がどのように各臓器にたどり着いていくかを学ぶうち、「中枢神経から枝分かれした先は、最終的に必ず足や顔へ届く。そうであるならば足と顔を自分のテーマにしよう」と決めたのです。更にこの頃、脊椎に直接触れて働きかけることは、非常に危険だということが分かり、「即効性があり、神経の末端が届いている足への働きかけがテーマになるのではないか?」と思い至ったそうです。古代チベットのエピソードとロネ自身のテーマが重なり、裏づけのある神経学の知識と研究の末、ニューロフットリフレクソロジーが生まれました。
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ニューロゾーン チャート
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| ニューロフットリフレクソロジーでは、まず「ニューロゾーン・チャート」を使用し足裏を刺激することで、最も進んだディポジットを探ることから始めます。このチャートはスペイン人医師ヘスース・マンサナレスによって研究されたもので、脊髄神経から主要臓器に流れる神経が足裏へ枝分かれして映し出されたものです。このチャートは、通常のゾーンセラピーによる足裏チャートとは反射区位置が少々異なります。胃の反射区は似かよっているものの、ニューロゾーン・チャートでは肺の反射区は小さく、大腸反射区の位置も異なっています。理由は、このチャートが神経学による反射チャートである為、ゾーンセラピーの定める反射区位置とは少々異なるためです。しかし両者が非常に似かよっていることは、互いのチャートの信頼性を証明しているように思います。大変興味深いのは、ニューロゾーン・チャートは4ヶ月の胎児の反射チャートであり、ベースになっているのが、胎児学という点です。受精後、最初に皮膚が形成され、18日後に中枢神経を形成します。その後発達を続け、胎齢4ヶ月で主要臓器が出来上がります。その反射チャートを使用することにより、主要臓器へ働きかけることができ、臓器の中で最も滞りのある箇所も探ることができるのです。 |
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脊椎反射区に対するテクニック
ニューロゾーン・チャートで足裏のディポジットを探った後、足の脊椎反射区におけるディポジットを見つけていきます。一つ一つの椎骨の滞りを探るため、まるで指に目があるかのように足のアーチを細かく触れていきます。例えば、頚椎4番に滞りあがれば鼻や耳管などに影響が及んでいること、胸椎6番に滞りがあれば胃に影響が及んでいることなどが考えられます。 |
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| その後、足の脊椎反射区に頚椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨の椎骨のすき間を一つ一つ空けるイメージで、施術者の指とクライアントの足を密着させ、切込みを入れるように刺激をします。次に、脊髄神経から分かれる末梢神経を描くイメージで、脊椎反射区を中心とした左右に対して、枝分かれを描くように指を動かしていきます。このように、テクニックとしてはリラクセーションをもたらすというより、プロフェッショナル向けのものといえるでしょう。 |
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ニューロフットリフレクソロジーの適応
ニューロフットリフレクソロジーは、通常のゾーンセラピーにおけるフットリフレクソロジーに組み合わせることも、フェイシャルリフレクソロジーに組み合わせることもできます。ニューロフットリフレクソロジー単体で行うことも可能です。また、鍼、ボディーマッサージ、理学療法などとも組み合わせることができる、大変応用範囲の広いセラピーです。
ロネが何度か繰り返していたのは、このテクニックが通常のフットリフレクソロジーに置き換わるという意味ではなく、あくまでもプラスアルファとして考えて欲しいという点です。通常のフットリフレクソロジーは、ニューロフットリフレクソロジーよりも反応がゆっくりしています。しかし、反応がゆっくりしているから良くないということではありません。人間の身体には、必要に応じて、内分泌系や消化過程のようにゆっくりした伝達を果たす機能と、神経系のように素早い伝達を果たす機能の両方が備わっています。その両方を行っていくことが必要なのです。
ニューロフットリフレクソロジーのような早い伝達をもたらすものと組み合わせることにより、もっと現代的なリフレクソロジーが展開できるということです。 |
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また、フェイシャルリフレクソロジーと組み合わせることは足と顔への働きかけとなり、身体への神経伝達を効率よく送ることの出来る、正に双極性(バイポーラー)のトリートメントになります。これこそがロネ・ソレンセンが「足と顔をテーマにしよう」と決めたその原点をたどり、体験することになるのではないかと思います。
ニューロフットリフレクソロジーの神経学的刺激はその効果を早く感じとることができる為、セラピストとクライアント両者の満足度を高めることができます。また、反射区を通じて神経系に対して働きかける為禁忌がなく、障害のある方、筋骨格系の問題、がん、糖尿病、内分泌系の問題をお持ちのクライアントなど、様々な疾患に対してトリートメントが可能です。自閉症は顔に触れられることを嫌がるケースが多いので、足に対するテクニックを知っておくことは大変役に立つと思います。 |
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IMSI講師へ向けた研修 |
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| 2009年のロネ来日時、IMSI講師陣へ向けたニューロフットリフレクソロジー研修が開かれました。IMSI講師はフットリフレクソロジーの資格を所持していたり、既に学習済みであったり、サロンでの経験もあったりと、足に触れることには慣れています。しかし、ニューロフットリフレクソロジーの手技やチャートは他では見たことのない、かなり独特のものです。習得するのに多少迷ったり、手が疲れてしまったり・・・。これは皆さんと同じ、そしてフェイシャルリフレクソロジーとも同じですね。それでも、とにかく練習、練習! こつをつかむには、自分の手で覚えていくしかありません。ロネからも"Practice !"の声が飛びます。 |
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このセラピーに対する私達の一致した感想は「反応の速さ」。何らかの反応がすぐに出る為、次の日集まった時もその話で持ちきりでした。私も当日帰宅後は、疲れがどっと出て身体が動かず、子供のような時間から眠ってしまいました。身体からのサインを無視していたのかも・・・とはっとさせられたり、夢を見たり。
そんな中一番盛り上がったのは、足の脊椎反射区から感情のディポジット、トラウマを探る行程。
「6歳くらいの時何かあった?」
「19歳の時はどう?」
「ここ3年、かなりきてる?!」
なんて個人的な話が沢山出て、大盛り上がり。特にロネは、フェイシャルリフレクソロジー講師のプライベートは良く知っていますから、「それはつまりね・・・」なんて、ずばり言い当ててしまいます!
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| ロネによるニューロフットリフレクソロジーのデモンストレーション |
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| 本人が忘れてしまっている事も、足はしっかり記憶しています。つらい体験だけでなく、結婚や出産など喜ばしい出来事であっても、生活の変化は何らかの負担として記憶されることがあります。当時のプライベートを知らない人に対して、なぜか自分のことを話してしまうから不思議、不思議。最後に心の開放へ向かうのは、このセラピーの特筆すべき点ではないでしょうか。「様々な疾患の90%は、トラウマによって引き起こされたと思っている。疾患を断絶したいなら、トラウマのトリートメントが必要。」とロネは続けます。いくつ位の時にトラウマを受けたか推測することができるセラピーは他に聞いたことがありませんし、ましてやそれを教えてくれるのが、私達の今までとこれからの人生を運んでくれる足であることは、大変興味を惹かれます。 |
結び
リフレクソロジーは、セラピストとクライアントの間に何も介在せず、セラピストの手による技術のみで、クライアントの身体器官の状態を推しはかったり、変化を起こしてしまう驚くべきセラピーだと思います。ルーツは、欧米の医師たちによるものです。1500年代、中央ヨーロッパの医師たちがゾーンセラピーに関する本を出版し、その本に興味を惹かれたアメリカの医師が更にゾーンセラピーを発達させ、リフレクソロジーの土台を築いていきました。
ロネ・ソレンセンとバルセロナで初めて出会った時、「日本でリフレクソロジーは、主にリラックスを目的としてスパなどで行われているけれど、本来は身体改善を図ることを目的とした補完療法。デンマークでは病院や特別な助けを必要とする方の施設、企業内で行われている。そんな反射学を日本で広めていきましょう。」と二人約束したことを思い出します。そういった反射学を広める為、まずフェイシャルリフレクソロジーを上陸させ、今回ニューロフットリフレクソロジーを日本に紹介することになりました。フェイシャルリフレクソロジー開講から5年も経ってしまった訳ですが、当時の日本のリフレクソロジー事情では、ニューロフットリフレクソロジーの専門的な内容も、単なる目新しいもので終わってしまうのではないかという不安がありました。リフレクソロジー=反射学に対する考え方がきちんと浸透していなければ、ソレンセン・メソッドの素晴らしさは伝わらない。あのロンドンで受けた衝撃も伝わっていかないと思ったのです。ロネとの約束には、もう一つ。「私のリフレクソロジーを、日本での流行、ブームで終わらせないでほしい。」という大きな役目でした。二つの約束を果たす為、この5年間私なりに本来あるリフレクソロジーを真摯に伝えるよう努力してきました。フェイシャルリフレクソロジストとなられた生徒さん方は、沢山の臨床例を伝えてきてくださいました。そして今、ニューロフットリフレクソロジーの扉を開く時期なのかなと思いました。 |
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フェイシャルリフレクソロジストに認定されて5年。日本で初めてフェイシャルリフレクソロジストになった当時の私の喜びや興奮は、別の形に変わっていきました。私もロネのようなクリニカルリフレクソロジスト(臨床リフレクソロジスト)になりたいと、また一つ階段を上がることにしたのです。米、英、独の統合医療施設を訪れ、補完療法の可能性を探りました。厳しい状態にある患者さんほど、リフレクソロジーを愛していました。ロネも数多くの自身の臨床例から、「難しい状況から救いだせるのは、リフレクソロジー」と言います。ソレンセン・メソッドは、顔だけに限りません。ニューロフットリフレクソロジーが持つ世界は、まさにクリニカルであり、沢山の可能性を秘めています。皆さんのクライアントへ、この新しく素晴らしいセラピーを広めていただけたらと思います。そして、日本の病院や施設でもリフレクソロジーが行われ、普及していくことを夢見ています。国境を越えたソウルメイトであるロネと共に、日本で新しいリフレクソロジーの案内人になれたことを大変誇りに思っています。
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