今から十数年前、日本でリフレクソロジーを学んでいた私は、「プロのセラピストになろう!」と決心し、それまで勤めていた自動車会社を退職し、イギリス・ロンドンへと渡りました。
ロンドンに着いた翌日、何気なく書店を訪れた私は、「ここは自然療法を学ぶ人にとってのパラダイス!イギリスに来て正解だった!」と異国の地でひとり大喜びしてしまいました。そこには、本好きの私には眩しいほどの、ズラーッと並ぶ自然療法関連の書籍の数々。”Aromatherapy” “Reflexology” “Homeopathy” “Herbal medicine” などとカテゴリー分けされており、それぞれの棚には、たくさんの本が所狭しと並んでいたのです。まるで、宝の山を発見した海賊のような気分!
今では、日本でも自然療法関連の本は珍しくはありませんが、当時はまだ本当に少なく、特に「リフレクソロジー」についての本は皆無だったと思います。迷わず、大人の衝動買い(笑)。ホームステイ先で大量の本を辞書を引き引き夢中で読んでいったことを、昨日のことのように思い出します。
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その中の一冊が、”The Complete Illustrated Guide to Reflexology“。
私が生まれて初めて買ったリフレクソロジーの専門書です。リフレクソロジーコーナーでも一際目立つその本は、大判でフルカラー、絵や写真が豊富で読みやすいのは勿論ですが、ホリスティックアプローチから科学的な理論、中医学の経絡や解剖学、数々の写真付きのケースヒストリーが詳細に紹介されていて、まさに「フットリフレクソロジーの完全版」。 |
さまざまなワークショップ |
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私を初めて世界のホリスティック・コンプリメンタリーセラピーの世界に引き入れてくれた、そんな思い出の一冊です。その時はあまり気に留めなかったのですが、その本の著者はイギリス人ではなく、南アフリカ共和国在住のリフレクソロジストでした。
「その人」の名は・・・「インガ・ドーガン」
その後、何年もの月日が流れ、私はIMSI で自然療法の講師をするようになりました。「常にグローバルな視点を持ち、世界最先端の自然療法を日本に伝えていくこと」をミッションとし、他のIMSI 講師やスタッフたちと海外情報をリサーチし、学び、時には海外出張に飛び回る日々。そんな中で、2004年にイギリスのAoR(Association of Reflexologists)のカンファレンスから戻った飯野先生から、久しぶりに「その人」の名前を聞きました。「その人」の名は「インガ・ドーガン(Inge Dougans)」。
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”The Complete Illustrated Guide to Reflexology“の他にも、中医学の五行説や経絡を取り入れたリフレクソロジーや、ボディ・アナライジング(分析)など、オリジナルのメソッドを持ち、多数の書籍を出版。
AoRの名誉会員にもなっている彼女は、南アフリカを拠点に活動しながらも、世界の自然療法カンファレンスでは常連のスピーカー、世界各国でコースを開講している超有名人だったのです。その後、2006年のAoRカンファレンスでもインガはワークショップを開催。
今度はIMSI国際部の絢子さんが出席し、インガと交友関係を深めてきました。IMSIとの不思議なご縁を感じ、「どんな人だろう。会ってみたいな・・・」と密かに思っていたのです。
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Inge Dougans |
ところで、南アフリカ共和国って・・・?
人類発祥の地、ゴールドラッシュで有名な金とダイヤモンドの産地、アパルトヘイト(人種隔離政策)と初の黒人大統領ネルソン・マンデラを生み出した激動の国、2010年のFIFAワールドカップの開催地,そして知る人ぞ知る、世界で唯一リフレクソロジーやアロマセラピーなどの自然療法が国家資格として認められている自然療法大国なのです。
日本は勿論、自然療法先進国のイギリスやデンマークでさえも、まだ「国家資格」としては認められていませんので、これは世界でも異例のこと。インガ・ドーガンは,正に南アフリカにおけるリフレクソロジー国家資格化の立役者。リフレクソロジストとしての功績はもちろんのこと,自然療法の法整備によってセラピストの地位と教育水準の向上に貢献した人物として世界的に注目を集めています。正に、現代のリフレクソロジーの発展に世界で最も貢献した人物と言っても過言ではないでしょう。
「南アフリカのリフレクソロジーって、どういうものだろう?」
「リフレクソロジーを国家資格化したインガ・ドーガンってどんな人?」
「世界で最も自然療法の水準の高い国・南アフリカの現状をこの目で見てみたい!」
そんな想いが、何年もの間、心の中でモクモクと膨らんでいました。
満を持して,その時がやってきました。2011年、IMSIにて創立以来の一大国際イベント“Touch for World International Week ”の開催が決定しました。国内外の一流セラピストが一堂に会し、仲間を作り、世界を広げ、学び、情報交換をする1週間のイベント。
「そうだ!インガを呼ぼう!」そんな声が、社内に挙がったのです。
自然療法界の弾丸トラベラー、いざ南アフリカへ!
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空港でのWELCOME! |
インガと二人の息子さん達 ダニエル(左)トーマス(右) |
「インガ、あなたに会いに行っても良いですか?」とEメールを送ると、「再来週なら時間があるから来ても良いわよ」との返事。「それじゃ、行きます!」と即答し、トントン拍子でIMSI史上初の南アフリカ出張が決まりました。
我ながら、「自然療法界の弾丸トラベラー(笑)」ですが、超多忙なインガ・ドーガンが「来ても良い」と言ってくれているのですから、このチャンスを逃すわけにはいきません!
日本からシンガポール経由で約18時間の空の旅。2011年3月、南アフリカ・ヨハネスブルグ空港に降り立ちました。ワールドカップの際にリニューアルされた国際空港は、出来立てのピカピカです。ここで、初めて念願のインガ・ドーガンに会うことができました!「これまで世界中の色々なカンファレンスに招待されたけど、スピーチを依頼するためにわざわざヨハネスブルグまで来たのはあなたが初めて!」とインガも私の訪問を歓迎してくれました。
滞在先の町、リヴォニアのBead & Breakfast |
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今回は短期間の滞在でしたが、期間中,授業に参加させて頂いたのは勿論のこと、私が「南アフリカの法律について知りたい」と言えば、行政府プレトリアまで車を飛ばして法律の担当者に面会させてくれたり、「アフリカらしいところに行きたい」と言えば、野生動物のいる国立公園へ連れて行ってくれたり・・・。インガとそのファミリーには本当にお世話になり、この国についての理解を深めることができました。
インガ・ドーガンと南アフリカにおけるリフレクソロジー国家資格化の道のり
インガは、ロネ・ソレンセンと同じくヨーロッパの自然療法大国・デンマーク出身です。
デンマークで1981年にリフレクソロジ―の資格を取得後すぐ、結婚を機に南アフリカに移り住みました。
それまで、南アフリカではリフレクソロジ―は全く知られておらず、インガが国内初のリフレクソロジスト。インガの活動の歴史は正に南アフリカにおけるにリフレクソロジーの歴史そのものなのです。
ヨハネスブルグに開業したインガのクリニックはすぐに評判となり、1日に15人のクライアントに施術をしても予約待ちの名前が増え続けるという毎日だったそうです。そして「この技術を教えてほしい」「自分もリフレクソロジストになりたい」という希望が相次ぎ、1983年に南アフリカで初めてのリフレクソロジ―スクールを開設。