2019.07.02
キース・ハント先生来日「病院の中のホリスティックケア」報告その1
キース・ハント先生によるワークショップ「病院の中のホリスティックケア」が終了しました。
全国各地から、セラピスト、看護師、薬剤師、病院経営者、介護士、セラピー勉強中の方、ご家族にセラピーをしてあげたい方など・・・、
本当にたくさんの方がご参加くださいました。
ご参加の皆様、ありがとうございます!
感動し過ぎて、なかなか言語化するのが難しいのですが・・・、
熱~い2Daysワークショップの内容を、少しずつ皆様にご紹介してきます。
講義の英語タイトルは「Treat not the Treatment」、
直訳すると「治療ではなく、ご褒美」。
ロイヤルフリー病院は、最新設備を整えた大病院でありながら、
アロマセラピーマッサージの「ご褒美」が付いているのが特徴です。
なんと、年間36000件!
その功績が評価されて、キース先生は、英国王室より大英帝国勲章を授与されました。
件数の多さはもちろんのこと、
「全て」の病棟にアロマセラピストが配置されているのも、この病院の特徴です。
感染症患者のいる隔離病棟、集中治療室(ICU)など、
通常はセラピストが入ってはいけないような病棟でも、アロママッサージが行われています。
隔離病棟では、エボラ出血熱の患者さんにも、アロママッサージが行われました。
「感染症には禁忌」「熱がある人には禁忌」と言われることもありますが、
セラピストに知識と技術があり、しっかりと工夫して対策すれば、
セラピーは行えるのです。
そしてそれが、患者さんにどれ程の生きる希望と勇気を与えることにつながるでしょう。
化学療法、放射線療法や人工透析など、辛い治療を受けている患者さんにとって、
アロマセラピストが施術してくれるのは、まさに「至福の時間」。
勿論、がん患者さんや透析患者さんも、禁忌ではありません。
それは、セラピストにノウハウがあるからで、「気をつける点」は徹底されています。
高齢者や身寄りのない方には、セラピストが毎日訪ねて話し相手になるのだそうです。
人生の最期のその時まで、セラピストがケアを行うことも。
そんなときも、いつもと変わらぬ「ビッグスマイル!」がとても重要なのだそうです。
家族を亡くした方へのグリーフケア、そして病院職員へのケアも行われています。
↑ かつて、私もロイヤルフリー病院で実習させていただきました。
希望すれば毎日アロママッサージが受けられる、しかも経費は寄付金で賄われているので、無料!
そんな夢のようなサービスですが、
この活動は、26年前にキース先生がたった一人でボランティアで始めたのがきっかけでした。
もともと病院の職員だったキース先生は、医師の勧めによって1人のがん患者さんにマッサージを施した時、
「この仕事にフォール・イン・ラブ!」つまり「恋に落ちた」のだそうです。
それ以来、変わらぬ情熱を持ちながら、この仕事を続けてきたというキース先生。
因みに、キース先生はロイヤルフリー病院に勤めて52年間、1日たりとも病欠したことがないそうで、
その理由の一つが「好きな仕事をしているから」だそうです。
セラピストとして・・・、というか仕事人としての、キース先生の生き様を見せていただき、
鳥肌が立つほど感動してしまいました。
ここまでセラピーが浸透するには、医療スタッフとの信頼関係がとても大切です。
これは、キース先生が26年間、最も大切にしてきたこと。
セラピーによる事故は一切なし!
それには、セラピストが徹底して守っているルールがあるのです。
例えば、
「医療スタッフに許可をもらった部位しか施術しない」
「他の部位を依頼されたら、必ず医療スタッフに確認する」
「どんなにせがまれても、時間を延長しない(笑顔でSee you tomorrow!と言う)」
「患者さんの体位や機器を勝手に動かさない」など。
講義では、ロイヤルフリーで使用されている医療スタッフからのアロママッサージの指示書(これがないとセラピストはアロママッサージできない)など、貴重な書類もシェアしてくださいました。
病院の中でアロマセラピーを取り入れたい方必見のワークショップでしたが、
生まれから人生を終えるその日まで・・・、人のケアに関わる全ての方に聴いて頂きたい、本当に素晴らしい内容が詰まっていました。
まだまだ、つづきます。
英国のアロマ事情もご紹介している無料体験会。ご興味のある方是非いらしてください!
次回の来日セミナーは、南アフリカのインガ・ドーガン先生。是非ご参加ください!
インガ・ドーガン来日「セラピューティック・リフレクソロジー」