2022.07.16
認知症・高齢者ケア・緩和ケアに活用できる癒しの「マフ」
先日、朝日新聞に「マフ」についての記事が載っていて、とても驚きました!
「マフ」とは、ニットで編まれた筒状の防寒具ですが、別の使用方法が話題となっています。
イギリスの認知症や高齢者ケアの現場では、カラフルなマフにさまざまな飾りをつけた「Twiddle muff(手でいじるマフ)」が使われているのです。
マフに手を入れて温もりを感じながら、モフモフとした感触を楽しんだり、ボタンやリボンなどの飾りを手で触ることで、心が癒されたり、記憶がよみがえったります。
オックスフォード大学病院で認知症の患者さんにマフが渡されますが、在庫がなくなると地元紙で募集し、ボランティアから贈られるのだそうです。
記事によると、日本でもイギリスに倣ってマフを使った癒しのケアが活用されています。
山形県の鶴岡市立荘内病院では、安全管理のために余儀なく行われる身体拘束を減らすために、マフが導入されているそうです。
また、関西医科大学の研究では、マフを使用した高齢者のストレスレベルが減る傾向にあったほか、マフに触れながら自分の家族のことを語りだす高齢者が何名もいたとのことでした。
緩和ケア病棟で長く働いているオランダのジョナサン先生は、痛みの緩和にマフを活用しています。
ジョナサン先生の手法はユニークで、マフのテクスチャ(触感)と「思い出の香り」を融合させて、「思い出の人と対話」に使うのだそうです。
クライアントは、思い出の香りを嗅ぎながらマフを撫で、ボタンやリボンやポンポンや小さな鍵などの飾りを手でいじりながら、「思い出の人」と対話を行っていきます。
思い出の人とは、天国にいる両親かもしれませんし、旦那さんかもしれません。
その間中、ジョナサン先生はHEARTSという優しく触れるテクニックを使って、クライアントを撫で続けるのだそうです。
そうすることで、クライアントは痛みのことをすっかりと忘れてしまうのだそうです!
この痛みの緩和ケアのテクニックは、どのような痛みにも有効で、ターミナルケアの現場における痛みの緩和には特に重宝されますし、心理学者でもあるジョナサン先生は、愛する人が天国に行ってしまった人の心のケアにもよく使うのだそうです。
また、認知症の方はもちろんですが、パーキンソン病など運動感覚障害を持つ方にも役立つのだそうです。
8月に開催されるオンラインコース医療・介護の中で行うアロマセラピーと痛みの緩和ケア~HEARTS~では、イギリスのがん専門病院で発祥したHEARTSと呼ばれる五感にアプローチする痛みの緩和ケア法の応用として、ジョナサン先生が考案した「マフ」とアロマを使ったワークも伝授されますよ。
「セラピストが介入することで、QOLは人生の最後の最後まで保つことができる!」と力強く断言するジョナサン先生から直接学びたい方、とーってもハートフルで素敵なケアが学べる素晴らしい3日間のコースです。
HEARTSプラクティショナー資格を取得してお仕事の幅を医療現場に広げたいセラピストの方も、大切な人へアロマとタッチを届けたい方も(初心者歓迎)、是非、年に1度のこの機会にご参加くださいね。録画視聴も可能です。