2023.04.15
自閉症を持つ子ども/大人へのアロマセラピー
先日のブログで、「幸せの記憶」を引き出すアロマセラピーについて書きました。今回はその続編となります。
オランダの心理学者・ジョナサン先生は、患者さんの診断名が何であれ、痛みを理解し、寄り添い、患者さんにとっての「幸せな記憶を呼び起こす」サポートすることこそが、最高のケアであり、その最も効果的な手法がアロマセラピーだと仰っています。
自閉症を持つ子ども/大人へのサポートの場合は少し特別で、「幸せな記憶を呼び起こす」ことに加えて、「両親、兄弟、祖父母との関係性を取り戻す」ということを目的としたアロマセラピーが行われます。
ジョナサン先生は、この自閉症を持つ子ども/大人へのアロマセラピーの手法に「リコネクティング(再び繋がる)」という名前を付けて、オランダの心理学の現場で実践しています。
この「両親、兄弟、祖父母との関係性を取り戻す」ことを目的としたセラピーは、ご本人だけではなく、まずは家族丸ごとのケアが必要です。ご家族、特に母親が心から癒されていないと、家族全体が繋がることが難しいからです。
母親を癒すために、「我が子が自閉症を発症する前の赤ちゃん時代の記憶」を思い出すことが重要です。子どもが自閉症と診断されたショックで、その前のことをスッカリ忘れてしまっている方もいますし、子どもが既に大きくて「そんな昔のことは覚えていない」という方もいます。しかし、アロマセラピストは、母親が昔使っていた香水や、子どもが赤ちゃん時代に使っていたベビーバス用品など、「あの手この手」の香りのアプローチを使い、記憶を引き出していくのです。
ジョナサン先生のアロマセラピーでは、もちろん精油の効用も存分に使っていきます。精油の香りの力は、やはり偉大なのです。
さまざまな研究により、精油の香りを嗅ぐことで、脳内で不足している神経伝達物質の働きを補うことが可能であるということが分かっています。
例えば、レモン精油やローズマリーctシネオール精油の香りは、睡眠サイクルを整え、幸福感に寄与する「セロトニン」のような役割を果たしてくれますし、フランキンセンス精油やローズオットー精油の香りは、リラックスや集中力向上に役立つ「GABA(γ-アミノ酪酸)」のような役割を果たしてくれます。これらの神経伝達物質は、自閉症にまつわるさまざまな症状に関わってきます。
5月7日(日)に開催される国際オンラインセンナ―「自閉症とアロマセラピー」は、オランダの医療や心理の現場で結果を出してきた自閉症の子ども/大人へのアロマセラピーのアプローチをジョナサン先生ご本人よりタップリと学ぶチャンスです。
質疑応答では、「うちの子の場合は……?」「私が担当しているクライアントは……?」といった個々のケースの質問も大歓迎。どんな質問にも快く答えてくれ、医療と心理の現場での活動で培った知識を惜しみなくシェアしてくれるのがジョナサン先生の素晴らしい所です。
また、「ご本人とそのご家族が、今、何に困っているのか」を徹底的に洗い出し、一つひとつの問題を解決に導くためのアロマセラピーのアプローチを丁寧に考えていくジョナサン先生の姿勢は、自閉症に限らず、何らかの疾患や障がいをお持ちのクライアントに対応するセラピストの道標となります。
クライアントの幅を広げてステップアップしたいセラピストの方もや医療・福祉現場でのセラピスト活動を志す方、自閉症をお持ちの方もご家族や関係者の方、医療や心理の現場で活動する専門職の方にも、補完医療の本場・オランダのジョナサン先生のアロマセラピーを是非学んでいただきたいと思っています。
過去の同講座をご受講された方は、栄養学や神経伝達物質など、アップデートされた情報やスライドもあり、再受講もおすすめです(再受講の特別料金などはお問合せください)。