冨野学院長のブログ

2023.04.11

「幸せの記憶」を引き出すアロマセラピー

オランダの心理学者・ジョナサン先生は、大学病院で自閉症やADHDなど発達障がいをお持ちの方を専門に活動していました。日々、攻撃性を持つ方や、固く心を閉ざしている子どもや大人と接しているうちに、あることに気づきます。

彼らの中に、誰にも理解されていない「苦痛」や「孤独感」があるのです。

ジョナサン先生は、病名が何であろうとも、患者さんの「苦痛」と「孤独」の部分に徹底的に寄り添おうと、決意しました。

そこで、従来の心理学の手法に加えて「もっと効果のある方法はないだろうか…?」と試行錯誤した結果、アロマセラピーと出逢ったのだそうです。

大人と子供の手とハート

IFPAアロマセラピストとなり、心理療法とアロマを組合わせたとき「こんなに即効性のあるセラピーがあったのか!」と自分でも驚いたそうです。

そこから、最も効果のある精油やその組み合わせを、現場での体験や科学的エビデンスから編み出し、ジョナサン流のアロマセラピーのメソッドを数多く生み出しました。

今では、ジョナサン先生はEssentia Nobilisという精油会社のオーナーです。

「苦痛」と「孤独」を癒すそのジョナサン流のメソッドは、自閉症やADHDなど発達障がいだけに留まらず、うつ、PTSDをお持ちの方、がんと共に生きる方、緩和ケア、終末期ケアを受ける方など、多くの方に取り入れられています。

オランダでは、医療の中で「患者さんファースト」が徹底していて、「いいものはいい!」と患者さん自身が声を上げることが多いそうです。

医療の中でアロマセラピーが導入されていることも多いですが、例え病院や施設にアロマのサービスがなくても、患者さんが(勝手に)出張アロマセラピストを頼んだりすることも多いのだそうです。

なんだか、自由でうらやましいですね。

ジョナサン先生が、患者さんの孤独と苦痛を癒すために大切にしていることは、「幸せの記憶」を引き出すことです。どんな辛い状況にある患者さんでも、過去に幸せだった記憶がない人はいないのです。

そのために、特に重要なのが、香りとタッチングです。

香りは、一瞬で「幸せな記憶」を蘇らせる最適なツールの1つ。

爽やかな草木の香り、甘い花の香り、酸味のある果物の香り、それだけでなく、昔使っていた香水の香りや、赤ちゃん時代のベビーバス用品の香り、それに石油の匂いだって、人によっては大切な思い出の香りです。

タッチングも「幸せな記憶」を呼び覚ましてくれる、素晴らしいツール。

赤ちゃんや子ども時代、撫でられたり、抱っこされたりして安心した記憶や、親に髪を梳かしてもらったり、きょうだいでお風呂で遊んだりした楽しい思い出を持っている人も多いことでしょう。

アロマセラピストは「痛みを癒す」と言えばすぐに「鎮痛作用のある精油」を探しがちですが、実はそれが最善とは限りません。セラピストが、痛みを理解し、寄り添い、患者さんにとっての「幸せな記憶を呼び起こす」サポートすることこそが、最高のケアとなるのです。

この春~夏も、ジョナサン先生の講座が開講します!

自閉症とアロマセラピー

医療・介護に役立つアロマセラピーと痛みの緩和ケア

アロマセラピストの方は、現在、自閉症や緩和ケア領域で活動している訳ではない方であっても、学びやヒントが多く得られます。

是非ご参加ください~!

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