2019.05.21
病気や障がいをお持ちの方に行う自然療法
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NICU(新生児集中治療室)の保育器に入っている、生後すぐの娘です。
我が子への最初のセラピーは、「保育器の中に手を突っ込んで、顔、足、背中を擦る」でした。
↑保育器から出ても、指で顔をツンツン。
あ、この手は、私ではなく、夫です(笑)。
英国のアロマセラピー、南アフリカのリフレクソロジー、ベトナムのディエンチャンなど、IMSIでご紹介している自然療法は、海外では「治療」または「補完療法」として、病気や障がいをお持ちの方に活用されているものが多いのです。
そのため、受講生の中には、病院や施設などクリニカルな現場で働くことに興味のある方、病気や障がいをお持ちの家族や友人に施術してあげたいという方が多くいらっしゃいます。
下記、IMSIでもお伝えしている、病気や障がいをお持ちの方へのトリートメントをする場合に是非知っておいていただきたい確認事項を挙げてみます。
<主な確認事項>
目次
● 主治医の許可は得ていますか?
→ これは、色んな意味で、本当に大切。
施術による影響かどうかは判断できませんが、施術中や後に、容体が(良くも悪くも)変わることもあるかもしれません。
症状や薬の効き方が変わったりするかもしれません。
書面でいただく必要はないかもしれませんが、少なくとも口頭で主治医に許可を取っておくようにしましょう。
また、香りを使う、オイルやお湯を使うなど、何かグッズを使う時も、必ず許可をいただいてからにします。
● 受け手とのコミュニケーションは取れますか? 受け手が嫌だと思ったら意思表示ができることが大事です。
→ これまで私が担当した中には、言葉が話せず手話や筆談を使う方や、目のまばたきだけでコミュニケーションを取っている患者さんもいらっしゃいました。
どのような手段でも良いので、受け手とのコミュニケーションが取れること(直接が無理なら、ご家族や医療スタッフを介してでも)が、とても大切です。
● 受け手の姿勢は、自然で楽ですか? その姿勢は何分くらい楽に保てますか?
→ 仰向けが辛い人、同じ姿勢が辛い人などもいらっしゃいます。
また、最初は楽でも、時間が経ってくるとその姿勢が辛くなる・・・ということも。
最初に入念に体勢を調整した後、施術中にもこまめにお声をかけて、微調整するようにしましょう。
また、施術時間についても、ケースバイケースですが、短く済ませるようにしましょう(英国ロイヤルフリーでば15分、私がボランティアをしている大学病院では25分。頼まれても延長はしないのがルールです)。
因みに、ベッドに柵があったり、ベッドが壁にくっついていたり、高さが調節できなかったりで、施術者は多少のやりにくさがあっても臨機応変に対応できる能力が必要です。
● 部屋の環境(温度、明るさなど)は、受け手にとって快適ですか?
→ 病院や施設では、照明や空調など勝手に調節することができないことも多いですが、身体の上にタオルを掛けたり取ったりして、こまめに温度調整を心がけます。
勝手にたくさんタオルをかけると、「暑い」と言われることもありますので、確認が必要です。
● 施術内容について、施術者や受け手が不安を持ってはいませんか?
→ いくら主治医が許可をくださっても、施術者や受け手が不安を持っていたら、無理に施術をしないほうが良いでしょう。
ただ手を握ってあげたり、傍に居て話しかけてあげるだけでも良いのです。
セラピストのボランティアでは、時には「今日は施術は1件もせずに、お茶を飲んでお喋りをして帰って来た」ということも、多々あるのです。
目的は「セラピーを施す」ことではなく、「喜んでいただく」ことなのです。
ターミナル(終末期)ケアの場合は、痛みや苦痛を緩和して、楽になって頂くことを目的に行うことが多く、「気持ち良さ」が最優先されます。
そのため、直接手で触れることが大事で、ソフトなトリートメントがとても良いと思います。
ディエンチャンや鍼灸、かっさ、その他グッズを使うセラピストの方も、この時ばかりは、直接手でタッチをする手法に切り替え、とにかく「触れ合いを楽しむ」ことを、個人的にはお勧めしています。
何よりも、重要なのは、アイコンタクトと笑顔!
この辺りは、英国ロイヤルフリー病院のキースハント先生の来日セミナーで徹底的に学ぶことです。
病院の中でのホリスティックケアにご興味のある方は、キース先生のワークショップ、是非いらしてくださいね。
病気や障がいをお持ちの方にケアをしたい方は、必修科目!と言いたいくらい、大切なことが学べます。
さて、保育器に入っていた娘は、今はとっても元気で、毎晩私にマッサージをしてくれます。
生まれた時は、軟体動物のように身体がグニャグニャ(ダウン症の特徴です)でしたが、体幹が強く、姿勢が良いのが自慢。
私は勝手にセラピーのお陰だと思っております♥
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