2023.08.26
ホリスティック医学の先駆者・カルペパーの功績
先日のブログの、ガブリエル先生の新コース「アロマティック・メディカル・アストロロジー(アロマセラピストのための医療占星術)」紹介の中で、カルペパーの名前を挙げたところ、「カルペパーって誰ですか?」というご質問を複数いただきました。
カルペパーは、ホリスティック医学としてのアロマセラピーを理解するのに、是非知っておきたい重要人物です。
一般的に「西洋医学」というと、いわゆる現代医学のことを指しますよね。
でも、現代医学が生まれたのは、約300年前のことであり、それ以前には、「伝統的な西洋医学」というものが存在したのです。
その西洋医学では「宇宙と人は分けることができない」と考えられており、医師たちは、宇宙である星空を見上げながら、「小さな宇宙」である「人」を治療していたのです。
このように、医療と占星術は常に共にありました。
「メディカル・アストロロジー(医療占星術)」とは、近代以前の世界では特別な物ではなく、当然の医学だったのです。
しかしその伝統的な西洋医学は、知識を学ぶのも、医療を受けるのも、一般庶民には決して手が届くものではありませんでした。
17世紀のイギリスに、ニコラス・カルペパーが登場するまでは……。
聖職者の子として生まれ育ったカルペパーは、大学卒業後、聖職を選ぶことなく、薬種問屋に奉公に入り、ハーバリスト・占星術師として活動し、後にロンドンで薬屋(アポカセリー)を構えます。
当時の医師は裕福な貴族を対象に治療を行っており、医師にお金を払うことができない一般庶民は、代わりに町の薬屋(アポカセリー)を頼りにしていました。
そんな時代においてカルペパーは、占星術と薬草の知識でたくさんの人々に治療を施し、病から救いました。
「貧しい人々を助けたい」という志を持っていた彼は、薬が買えない貧しい人の家に自ら進んで行き、お金を受け取らずに薬草を渡したり、遠方の患者には占星術的な見地から治療法を見立てて薬草を送ったりしていました。
この慈愛の精神が、後に彼がイギリス国民から愛され、人気を博す理由の1つとなります。
カルペパーの功績は、これだけではありません。
当時、「医学知識は医学会が独占するべきだ」という狙いがあり、医学書は難解なラテン語でしか書かれていませんでした。
ラテン語、ギリシャ語など語学に精通していたカルペパーは『英国薬局方』を、町の薬剤師や一般庶民が読めるように、英訳出版しました。
その後も、カルペパーは、次々と医療や医療占星術の著書を出版していきました。
代表的な著作『カルペパーの薬草大全』では、イギリスに自生する薬草の特徴、薬効、用法と共に、占星術的の観点からの選び方や治療法を紹介しています。
医療が受けられなかったイギリス庶民にとって、身近な薬草を自らの手で選び、調合できるというのは、まさに画期的でした。
医師免許を持っていなかったカルペパーは、当然ながら、当時の医学会から猛反発を受け、攻撃の標的となります。
しかし、不屈の精神で戦いながら、慈愛の心を持ち続け、天才的な医学・占星術・薬草の知識を駆使して、イギリスの庶民のために活動をやめませんでした。
彼の最大の功績は、「健康は専門家任せではなく、自分でケアをする」という最も大切なことを、医学や占星術、薬草学の知識を一般庶民に公開することで、人々に広めたことだと言えます。
これが、ホリスティック医学の大切な姿勢であり、セラピストであればカルペパーについて知っておきたい最大の理由です。
ガブリエル先生の新コースでは、カルペパーの時代にイギリス庶民に広まった、伝統的な医療占星術と薬草医学の世界観を味わいながら、深く探求していきます。
占星術の事前知識は必要ありません。
アロマセラピストの方であれば、すぐにクライアントへの精油選びやブレンディングの実践に取り入れることができます。
アロマセラピスト以外の方も、家族や友人、自分自身の気質や体質を占星術から理解を深め、最適な精油やハーブを選ぶ助けになるでしょう。
ぜひ、ガブリエル先生のナビゲートのもと、新しい発見に満ちた、魅力的な学びの旅に出かけませんか?