2023.11.05
セラピーボランティアをするにあたって、大切なこと
「ボランティア」という言葉は、17世紀頃からイギリスで「志願兵」を意味する言葉として使われ始めたのだそうです。
その後、イギリスではチャリティ(慈愛)の精神に基づいて、自分の時間や技能を使って奉仕するという考えが広まり、今で言う「ボランティア活動」が盛んになりました。
実際に、医療・福祉現場や教育現場、災害避難所、さらに国際交流、多文化共生、スポーツ、芸術など、さまざまな分野でボランティアが活躍しています。さすが、ボランティア先進国・イギリスですね!
私がイギリスで学んでいた時、病院の一角にチャリティのオフィスがあり、そこで集めた募金によって患者さんにアロマセラピートリートメントが提供されていることを知り、感動しました。
また、サロンで働いているセラピストが、お休みの日に病院やホスピスでセラピーのボランティアをしていると聞いて、「素敵だな」と思っていました。
その影響を受けて、私もセラピスト活動を開始したとき、仕事と並行してセラピーのボランティア活動も始めたいと考えたのです。
これまで、病院や福祉施設、障がい者の家族会、被災地の仮設住宅、それに個人のお宅など、ご縁のあったさまざまな場所でセラピーのボランティアをさせていただきました。
赤ちゃんから高齢者まで……、サロンでは決して出逢うことのなかった多くの人たちと触れ合うことができ、喜んでいただけて、セラピストとして本当に嬉しい経験をさせていただきました。
また、お陰様で、セラピストとしても、人としても、成長することができたのではと思っています。
セラピストの方で、もしボランティアを経験したい方がいたら、是非勇気を出してやってみることをお勧めします!
もちろん、サロンとは違う、さまざまな注意点があります。
以下、私がセラピーボランティアをするにあたって大切だと思うことを、お伝えします。
① ルールを守る、勝手な行動をしない。
ある病院では「アロマは使わないで欲しい」と言われてしまいました。「精油には、効果があるのに!」「イギリスの病院ではアロマを使っていたのに!!」と思いましたが、もちろんグッとこらえて、ルールに従い、タッチセラピーのみを行いました(もちろん、それでも患者さんは大変喜んでくださいました)。
②相手がして欲しいことを汲み取る。
必ずしも、施術をして欲しい訳ではない人もいらっしゃいます。セラピーのボランティアに行ったのに、お茶を飲んで世間話をして帰って来ることもあります。それも「セラピー」なのかもしれません。
③臨機応変に対応する。
ベッドがない、または低すぎる、個室ではない、医療機器があって思うように立ち回れないなど、サロンと勝手が異なることは、多々あります。でも、諦めずに、その場でできることを考える前向きな姿勢がとても大切です。
④拒絶されても、明るいマインドを持ち続ける。
患者さんから拒絶されると、誰でも凹むと思います。しかし、たまたま今日はセラピーを受ける気分ではなかったのかもしれませんし、セラピー以外のことでイライラしていたのかもしれません。私も、患者さんに「嫌だ」と言われたことがありますが、後日その患者さんが笑顔で迎えてくれたという経験があります。
⑤健康第一
ボランティアでなくても、もちろんそうなのですが、やはりセラピストは健康第一です。病気や不調の方に触れるのであれば尚更、「元気百倍!」のアンパンマンのような快活さが必要なのです。そのために、セルフケアがとても大切です。逆に私は、病院ボランティアをしていることで「絶対に風邪を引けない!」と身が引き締まり、セルフケアを丹念にするようになりました(本当に風邪を引かなくなりました)。
医療・福祉・教育現場などでのボランティア活動で求められることが多いスキルは、服の上からドライハンドで行うタッチセラピーです。
アロマセラピストは、オイルを使ったトリートメントしか学んでいないと思いますが、一度しっかりとドライハンドでのセラピーを学んでおくと、仕事やボランティア活動が広がると思います。
来月、イギリスのホスピスで補完療法のサービスを立ち上げ、高齢者、障がい者などスペシャルニーズの領域で長年活動されていた、正に補完療法のスペシャリストであるメアリー・アトキンソン先生から学ぶポジティブタッチセラピーのコースを開講します(上の2枚の写真を提供くださったのはメアリー先生です)。
赤ちゃんから高齢者まで、病気や障がいをお持ちの方にも安全に行えるタッチセラピーを第一人者から直接学べるまたとないチャンスですので、ご興味のある方、セラピストとして幅を広げたい方、是非ご参加くださいね。
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