2019.05.21
「原因不明」といわれる症状へのアプローチ
先週は、国際プロフェッショナルアロマセラピーディプロマコースの2つのクラスの最終回。
昨年4月から学ばれたグループと、
7月から学ばれたグループが、同時にコース修了を迎えました。
、最後のクラスの「症例報告会」では、
様々なクライアントへのアプローチが報告されました。
摂食障害の方、持病のある高齢者、癌の手術後の方、睡眠障害のある方、それに、原因不明の痛みのある方、原因不明の湿疹のある方etc・・・。
「さすが国際資格取得のプロフェッショナルコース!」と思いましたが、
色々なクライアントへの症例のお話が出てきました。
病院に行っても「原因が分からない」と言われたら、
セラピストの出番ではありますが、
ハテ、どんなアプローチをすれば良いのでしょうか・・・?
「消化器系の疾患だから、消化促進作用のある精油?」
「痛みがあるから、鎮痛作用のある精油?」
「湿疹なら、抗炎症作用のある精油?」
と、薬理作用を考えて精油を選択することも可能です。
どんな選び方でも、正解・不正解はないのですが、
私たちがIMSIでお伝えしている英国式アロマセラピーでは、
症状だけではなく、その人全体に働きかけるホリスティックなアプローチを大切にしています。
クライアントが訴える症状への効果も考慮しながらも
その人全体を見る姿勢が、
セラピストにはとっても大切なことなのです。
そして、心と身体が関連性を持っていることは言うまでもありません。
どんな症状にも原因があるのですが、
その原因の根っこに、心の問題が関係していることも多々あるのです。
ですから、どんな精油ブレンディングでも、
クライアントの心・感情に寄り添っていることがとても重要ですよね。
東洋医学では、
そもそも、感情は五臓六腑に宿っています。
怒・・・肝
喜・・・心
思・・・脾
悲・・・肺
恐・・・腎
東洋医学的に考えて精油を選ぶことで、
自ずとクライアントの感情に対するアプローチにもなっていき、
クライアント全体をホリスティックにケアすることにつながります。
ブレンディングに迷ったときに、必ず助けになる東洋医学とアロマセラピーのバイブルはこちら。
私の英国アロマセラピー留学の恩師・ガブリエル・モージェイ先生の著書『スピリットとアロマテラピー』です。
例えば、ヘリクリサムという精油ですが、
通常は抗アレルギー作用や抗血腫作用が知られていて、感情面のアプローチに使う人は少ないかもしれません。
『スピリットとアロマテラピー』では、
「大変な努力や過剰な抑制の末に生じた緊張を緩和させ、長期間の欲求不満による鬱状態を和らげる精油」として、
五臓の「肝」に働く精油として紹介されています。
このように、感情面に対して東洋医学的に考えることが可能になれば、
「原因不明の問題」と言われても、精油選びやアプローチに迷うことはありません。
そして、東洋医学的なブレンディングに加えて、
更に、トリートメントで、経絡を活用すれば、
より効果的なセラピーが可能になってくるのです。