2014.09.14
植物療法カンファレンス・BOTANICA2014 その③ Day2講演内容
Day2 午前のテーマは、「精油の臨床的な前進」。
スピーカーと講演タイトルは、下記の通りです。
Guilherme & Yan Oberlaender (ブラジル)「ブラジル精油の抗真菌、抗菌、抗ウイルス:臨床経験によるリサーチ~病院での精油の使用経験より」
Laurent Berlie(フランス)「家庭、病院、スポーツ学院における臨床アロマセラピー:フランスの経験」
Linda-Anne O’Flaherty (南アフリカ共和国)「赤十字戦争記念子供病院におけるアロマセラピーマッサージ~入院する子供たち、特に火傷患者のリラクセーションを促進する」
Lisa McEwan(フランス)「フランスの救急病院での精油の使用~レンヌからのレポート」
Day2 午後のテーマは、「神経学、老人学、腫瘍学と人生の最期における前進」
Mark Moss(UK)「スカボロー・フェア(英国の伝統的なバラード・パセリ、セージ、ローズマリー、タイムの4種のハーブについて謳われている)まで半分きたか?~ローズマリーとセージのアロマの認知と気分に対する効果」
Nicolette Perry (UK)「あなたのアロマの心:ヨーロッパの植物とアルツハイマー病への可能性」
Ulla-Maija Grace(フィンランド)「記憶障害と緩和ケアの患者へのトリートメント:フィンランドでの研究と実践からのレポート」
Angela Secretan(スコットランド)「アザミ(スコットランドの国花)とエイコーン~スコットランドの癌ケアにおける補完療法」
Madeleine Knapp Hayes – Wellhuner (オランダ)「生命の最期の心・身体・精神へのアロマケア~認知症の最期のステージのアロマケア」
アロマセラピストの方であれば、精油の効果を感じていらっしゃることと思いますが、
病院で、感染症などの患者さんに対して「抗生物質など他の医薬品を一切使わずに」精油の塗布だけで取ったデータなど、
大変興味深い資料を拝見しましたよ。
ヘルペスや褥瘡などの皮膚疾患の、精油を塗布したビフォーとアフタ―写真など、会場から「オオ~!」と、ため息が漏れました。
精油は、精神面に大きな効果をもたらすことから、認知症の病棟では、患者さんのQOL向上も大きく貢献しているとのことです。
日本でも話題になったローズマリーは、ここでも話題に上がっていましたよ。セージの香りも、認知に対する素晴らしい作用があるとのことでした。
フィンランドの講演では、病院の中で使用されている、具体的な精油とキャリアオイルをお聞きすることができましたよ。
痛みのケアには、セントジョーンズワートやメドウスイートなどの浸出油 、タマヌ、ホホバなどのベースに、ラベンダー、ヘリクリサム、ユーカリ、スイートマージョラム、レモングラス、ジンジャー、ペパーミント。
ターミナル患者の手足の冷えには、ジンジャー、スイートマージョラム、イランイラン、ローズマリー、ブラックペッパーなど。
痰には、マートル、スコッチパイン、スパイクラベンダー、ユーカリのマイルドな種類(ユーカリスミシなど)。但し、十分に痰が排泄できる場合に限る。
ターミナル患者の譫妄には、ネロリ、ペパーミント、スコッチパインなどを焚く。患者さんに一人でない感覚を与える。
講演の後は、ブースへ直行!
病院で、様々な皮膚疾患に効果をあげているブラジルの精油に大変興味を持ち、色々と購入しました。
●精油(TUNUPA aromaterapia)
GUAVA(psidium guajava)・・・抗炎症、抗酸化、抗菌、抗ウイルス、細胞再生
Blazillian Cherry(Eugenia latiflora)・・・抗炎症、抗酸化、抗菌、抗ウイルス、細胞再生
●キャリアオイル(Terraflor aromaterapia)
BARU(Dipterix alata)・・・中央ブラジルに生息するナッツ。オメガ6とオメガ9、ビタミンA、B、E、カルシウム、リンに富む。
BURITI(Mauritia flexuosa)・・・ベータカロテンに富む。抗酸化、瘢痕形成、保湿効果に優れる。コラーゲンとエラスチンを刺激し表皮の再生を促す。
他にも、コーヒーの精油や、儀式で浄化に使われる樹脂の精油など、色々と「大人買い」しました。
講演を聞いて、すぐに購入して試せるのも、このようなシンポジウムの楽しみの一つです。