発達障がい、自閉症、ADD/ADHDとアロマセラピー入門オンラインセミナー報告

2月27日に、オランダのジョナサン・べナビデス先生による「発達障がい、自閉症、ADD/ADHDとアロマセラピーとアロマセラピー入門」オンラインセミナーが開催されました。

ご参加の皆様、ありがとうございました！！

セミナーの様子を簡単にご報告いたします。

ジョナサン先生は、オランダの大学病院で心理士として、発達障がい、自閉症、コミュニケーション障がいを持つ方のケアに携わっていた時「五感を使うことが心に深く働きかけるのに有効」と気付き、アロマセラピーを取り入れ始めました。

現在は、クリニカルアロマセラピストとしても活動し、うつ、トラウマを含むコミュニケーション障がい、痛みのケア、終末期ケアの３つの分野を専門としています。

「コミュニケーション障がい、痛み、終末期の3つの分野は、かけ離れた分野ではなく、つながっています。それは孤独であること」と、最初の自己紹介でジョナサン先生が仰っていました。

そう、ジョナサン先生は「孤独と向き合っている人」に対するアロマセラピーケアの専門家なのです。

自閉症とADHDを併せ持っている方も少なくありませんが、そもそもは、別の問題です。

自閉症を持つ方へのケアには、ジョナサン先生は「リコネクティング（再び繋がる）」という独自のメソッドを使っています。

嗅覚に働きかけるアロマセラピーは、記憶とも深い関係があります。

アロマセラピーを使うことで、自閉症をお持ちの方が、「家族と心が繋がっていた頃（＝まだ自閉症を発症していなかった赤ちゃん時代）」の記憶を呼び覚ますことを試みるのです。

手法としては「触れないケア」と「触れるケア」があります。

「触れないケア」では、シンプルに精油をブレンディングしてディフューザーで焚いたり、アロマオイルを作成したりします。

朝用、昼用、夜用、そして緊急時用と、複数のブレンディングの種類があると、便利です。

精油は、オレンジ、マンダリン、ベルガモットなど柑橘系が好まれることが多いですが、重要なのは、精油選びには必ず本人の希望を尊重することです。

「触れるケア」の1つとして、「I Love You」という手法が紹介されました。

足に触れ、皮膚に文字を書いていくという方法です。

母親がこれをすると、それまで喋らなかった子どもが急に「これは好きかもしれない」「これをするとハッピーになる」など、ポジティブな言葉を発して、母親が涙するという例もよくあるそうです。

ADD/ ADHDをお持ちの方へのケアとしては、ジョナサン先生は「リフォーカシング（再び集中する）」という独自のメソッドを使います。

アロマセラピーが持つ「落ち着き」「活性」そして「バランス」を促す作用は、発達障がいをお持ちの方に限らず、多くの方の睡眠や学習の問題、ストレス対処、社会生活やコミュニケーションにおける様々な問題の改善に役立ちます。

子どもも大人も、どなたにも使うことが可能です。

大変興味深かったのが「嗅覚トレーニング」のお話でした。

発達障がいをお持ちの方は、嗅覚が歪んでいることが多いそうです。

精油を深く香るトレーニングをすることで、脳が香りを認識し始め、嗅覚を取り戻すだけではなく、集中力や落ち着きを取り戻すサポートになるのだそうです。

これは、認知症ケアなど、様々な分野に応用できそうですよね。

嗅覚、スゴイ！！

勉強や試験対策には、各教科ごとの香りを決める（歴史にはサイプレスなど）のがお勧めだそうです。

これは、学びが楽しくなるグッドアイディアですね！

私も、自分の集中力アップと記憶力向上のため、取り入れたいと思います。

気分と感情のバランスを取るシンプルな呼吸や、アロマオイルのロールオンを使った前腕のマッサージなど、実践的な内容を学ぶことができました。

今回のオンラインセミナーには、国内外から、アロマセラピスト、子育て中の方、教師・看護師・カウンセラーなど専門職の方など、たくさんの方がご参加くださいました。

皆様、ありがとうございました！！

ジョナサン先生の教えは、どれもシンプルで、実践的で、応用が利くものばかり。

30年以上に渡る臨床経験の中から「これは本当に良い！」というものを、惜しみなくお伝えくださいました。

是非、それぞれの現場で活用ください。

私自身も、今回の入門セミナーではたくさんの気づきと発見がありました。

嗅覚やタッチングを使ったアロマセラピーは、海外では発達障がい、自閉症、ADD/ADHDの分野で多く使われ、良い結果を出していますが、日本ではまだまだ活用されている方は少ないですよね。

もっともっと、必要な人の手にアロマセラピーを届けることができるように、これからも活動していきたいと思います。

ジョナサン先生の公式コース、日本初開催です。

学びを深めたい方、是非この機会にご受講くださいね！