冨野学院長のブログ

2021.03.27

怪我をする意味

人が病気になったとき、それまでの食生活や生活習慣、心の在り方などを見直す良いきっかけとなります。

IMSIで自然療法を学ばれる方の中にも「自分や家族の病気が、学ぶきかっけとなった」という方が多くいらっしゃいます。

 

ところが、怪我の場合は、どうでしょう?

多くの方は、「不注意だった」「運が悪かった」というのが怪我の理由だと考え、他の原因について深く考えることはないのではないでしょうか?

 

私は、病気だけではなく、怪我についても、実に意味深いものだと考えています。

 

最近、こんなことがありました。

料理中、誤って手首の内側に火傷を負ってしまいました。

「冷やしたほうが良い?

ラベンダー精油? 

それとも、冷蔵庫にあるアロエベラジェル?!」

色々と対処法を考えてみましたが、よくよく考えて見たら、それは心包経の経絡上で、「内関(ないかん)」というツボの辺り。

最近、イライラして胃の辺りの不快感もあったので、「時間があったらお灸でもしてみようかな・・・?」と思っていた場所なのです!

↑ 手首のシワから指3本分肘に向かってあがったところが「内関」です。

きっと、なかなかお灸をしてくれないことに対して身体がシビレを切らし、自ら火傷してしまったのですね(笑)。

ですから、結局何もせずに、そのままにしておきました。

数日間チリチリと感じていましたが、伝統的なお灸もチリチリするものですし、そのチリチリ感が治癒力を向上してくれるのです。

 

ほかにも、こんなこともあります。

アトピーをお持ちの方が、痒みを我慢できずに掻きむしってしまい、気づいたら血が滲んでしまうということがあります。

私もそのようなことがあるのですが、大抵、手の合谷(大腸経)のツボや、脚の豊隆(胃経)のツボのあたりなのです。

「掻き壊してしまう」というと良くないイメージですが、東洋医学には皮膚を擦って赤みを出す「かっさ」という療法や、わざと出血させる「刺絡(しらく)」という手法もあります。

いずれも、毒素を排泄するのに大変効果的な手法です。

掻いて出血させたというのは、必要な部位に、ナチュラルにかっさや刺絡をしたという効果があるのではと思っています(私の場合は、大腸経や胃経からデトックスが必要なようです)。

 

このような調子で、足の小指をぶつけた時は「至陰(膀胱経)に刺激が必要だったんだ!冷えているかも?」と解釈したり、手の薬指にひょう疽 (化膿性爪囲炎)ができた時は、「関衝(三焦経)からデトックスが必要だったんだ!身体が熱を持っているかも?」などと、色々と考えてしまいます。

 

そうそう、怪我ではありませんが、蚊に刺された時でさえも、「どこのツボか?どこの経絡か?」ということを、いつも考えてしまうのです(笑)。

アーユルヴェーダなど世界の伝統療法には、ヒルに血を吸わせるという療法もありますよね。

ヒルは、瘀血(滞った血)を吸い出すものとして有名です。

現代社会において、自然にヒルに血を吸われることはまずありませんが、蚊に食われた際に、その部位がどの経絡上に位置しているかを考えてみると、非常に興味深いですよ。

特に、「あ~、なんでこんなところを刺されちゃったんだろう・・・?」と思うような変なところを刺された時、新たな気づきがあるかもしれません。

例えば「瞼の上」なら膀胱経ですので、うなじや腰が固まっているのを緩めてくれたのかもしれませんし、「小指」なら心経、小腸経ですので、潜んでいた心の問題を開放してくれたのかもしれません。

こう考えると、瞼や指先を蚊に食われても、蚊を恨むこともなく、むしろ有難みを感じます。

 

まあ、あまり深く考え過ぎるとキリがないのですが・・・、結局私が言いたいことは、「とにかく身体って本当にスゴイですね!」ということです。

そして、東洋医学を知れば知る程、身体に起こる全てのことに意味があるということが分かり、身体がもっと面白くなりますね!

 

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