2022.08.06
グリーフ(悲嘆)ケアとアロマセラピー
「グリーフケア」という言葉を聞いたことがありますか。
「グリーフ」とは、「悲嘆」つまり「深い悲しみ」のことで、グリーフケアとは、大切な存在の喪失により深い悲しみを感じている方や、そこから立ち直ろうとしている方を支援するケアのことを指します。
1960年代にアメリカやヨーロッパで始まったケアで、アメリカ・イギリス・オーストラリアなど自然療法の先進国では、患者が亡くなったあとも遺族が同じ病院でグリーフケアを受けることが一般化しています。
日本でも、グリーフケアの研究や提供を行う機関もありますが、海外ほどまだ一般的ではないのかもしれません。

「グリーフケア」という言葉が生まれる遥か昔、古代の時代より、人々は深い悲しみの渦中にあるとき、花やハーブを飾り、心を和らげていました。植物や香りが持つ力が、人々を癒し、悲しみを乗り越える助けになってくれると信じられていたのです。
ヨーロッパで弔いのために使われている有名な植物のひとつに、サイプレスがあります。空に向かって真っすぐに伸びていく姿は天国に上っていく故人を象徴すると言われ、墓地によく植えられています。その新鮮で爽やかな針葉樹調の香りは、悲しみに暮れる人々の呼吸を整え、慰めてくれると考えられていました。
もう一つの有名な植物は、スィートマージョラムです。寂しい気持ちや孤独感を優しく慰め、身体と心を温めることで、喪失感からの回復をサポートしてくれると言われています。

サイプレスやスィートマージョラムはもちろんのこと、アロマセラピーで使われる精油は、グリーフケアに活用できる素晴らしいアイテムです。
何故かというと、香りを嗅ぐことは、脳と呼吸に瞬時に作用するからです。テクニックも知識も必要なく、ただ香りを嗅ぐだけで、脳がリラックスし、呼吸が整います。それは自分の感情に向き合ったり、感情を吐き出したり、思い出に浸ったりするサポートにつながります。
悲嘆のときが長く続くことで起こりやすくなる睡眠障害や食欲不振、身体の不調にも、香りは助けになってくれます。特に、長期にわたって介護や看病を続けていた方は、自分のケアがおろそかになりがちですが、自分の身体を労わることで、心が穏やかになり、癒されることも多いのです。

この世に生まれた生命は、いつかは終わりを迎えます。グリーフケアと無関係の人は、いないのです。
9月25日(日)にグリーフケアに活用できるアロマセラピーのオンラインセミナーを開催します。英国コッツウォルズ在住カリーナ・コックス先生によるアロマのセミナーは、初心者にも「分かりやすい!」と毎回評判です。
自分のためにも、またはグリーフケアが必要な身近な人へのサポートをしてあげたい方も、プロのセラピストとしてクライアントのためにも役立つ内容です。
喪失体験に伴う深い悲しみのみならず、ストレスや不安、恐怖など感情面の問題に活用できますので、ご興味のある方は是非ご参加くださいね。
アーカイブ(録画視聴)も可能です。
詳細はこちらから グリーフ(悲嘆)ケアとアロマセラピー