2024.04.18
英国の医療現場で活用されているアロマの「嗅ぎ方」とは?その1
言わずもがな、アロマの最もシンプルで効果的な活用法は「吸入」=「嗅ぐこと」です。
香りは一瞬で脳に届き、感情や記憶など神経系に影響を及ぼすほか、精油の分子が血液を介して脳や全身に運ばれ、心身にさまざまな影響を及ぼします。
単に「嗅ぐこと」と言っても、意外と奥が深く、アロマの吸入方法は、大きく分けて2つあります。
1つは「空間に香らせる」こと。
2つ目は「パーソナルに嗅ぐ」こと。
1つ目の「空間に香らせる」は、主にディフューザーを使って芳香分子を空中に拡散させることが一般的です。
手軽なアロマスプレーもこのタイプ。
リラックスした雰囲気づくりに貢献しますし、空気の浄化、感染症の予防対策なども期待できます。
しかし病院や高齢者施設、教育や保育の現場、ホテルロビーやイベント会場など、共用スペースで香りを拡散することは、アレルギーや特定の香りが良くない記憶や感情を喚起してしまうなどのリスクがゼロではありません。
そのため、不特定多数のいる空間で精油を拡散させるには、リスクのごく低い精油を選択し、特定の香りが強く出ないように調和のとれたブレンディングをして、使用量に十分注意をしながら行う必要があります。
2つ目の「パーソナルに嗅ぐ」は、より高い効果を期待して香りを吸入する際によく使われます。
実際に、英国やオランダをはじめとするヨーロッパの医療現場でよく推奨されているアロマの「嗅ぎ方」は、こちらのほう。
まずは「睡眠の質を上げる」「痛みの緩和」「呼吸を深くする」といった目的を決め、その目的に合った精油を選びます。
もちろん、クライアントの香りの好みも重要な要素です。
そして、その香りを必要だと思うタイミングで自分で取り出して、吸入します。
もちろん、ブレンディングや嗅ぐタイミングなどはプロのアロマセラピストがアドバイスをしますが、使う人が、自主的に吸入をコントロールできることがポイントです。
受け身の「お客様状態」ではなく、自主的に香りの吸入を行うことで、よりポジティブに脳が香りを認識することになり、効果も高まるのです。
このパーソナルな吸入に最も適した道具は「インヘーラー」という携帯用アロマ吸入器で、「アロマスティック」とも呼ばれています。
英国の医療現場で活用されているアロマスティックについては、次のブログでお知らせします。