2016.01.23
アロマセラピーの資格 その① ~日本と英国の違い~
アロマセラピストを目指す方から、「様々なアロマの資格があって、迷ってしまう・・・」というお悩みを、よくお聞きします。
確かに、日本には、世界に類を見ないほど、アロマの資格がありますね。
趣味でアロマセラピーを楽しみたい方は、資格に関わらず、自分がやりたいことを学べるスクールを探したら良いと思います。
でも、プロのアロマセラピストを目指す方にとっては、選んだスクールで取得する資格が決まり、そのまま所属する協会が決まってしまいますので、最初のスクール選びが、結構重要だったりすることもあるのです。
よく頂く質問の1つとして、「日本とイギリスの資格の違い」がありますが、それぞれでアロマセラピーが普及した背景を考えてみると良いと思います。
日本では、精油が「雑貨」として輸入され始めたことから、家庭で、安全に楽しみながら行うアロマセラピーを普及することを目的にアロマスクールや協会が設立されました。
そのお陰で、日本では、アロマに対して、オシャレで素敵なイメージが広まり、 アロマポットでお部屋を香らせたり、自宅でアロマグッズを手作りしたりするなど、気軽に家庭でアロマを楽しむ方が増えていったのです。
日本のアロマ資格を取得後、仕事をされる方もいらっしゃいますが、後からイギリスの資格を取り直すという方も実際に多く見られますので、プロのアロマセラピストとして仕事にするには、イギリスの資格を持っている必要性が高いと感じている方が多いと言えます。
一方、イギリス(というか西洋)では、ハーブが治療に用いられていたという長い歴史があり、ハーブの薬理作用もよく知られていることから、アロマセラピー=「補完療法」と捉えられているのが大きな特徴です。
現代医学とは違ったスタンスで、リラックスさせながら、痛みの緩和、睡眠の質の向上、食欲の改善、精神面のケア、etc…、心身の様々な問題を改善し、その人のQOLを向上させる目的で、様々な現場でアロマセラピーが活用されています。
イギリスでは、アロマセラピストが補完療法チームの一員として病院に常駐し、患者さんのケアにあたっているということが多いというのも、特徴の1つです。
(上記写真は、ロイヤルフリーホスピタルのキースハント氏と患者さん)
私自身は、イギリスのRQA(現IFPA)の資格を取得しましたが、「頭痛にはペパーミント」、「むくみにはジュニパー」というような、症状からの精油選びではなく、アロマセラピストが、クライアントの症状の根本の原因を探ること、施術を行うだけでなく、日常生活から総合的に改善のサポートをすることなど、深いアプローチをしていることに、目から鱗が落ちたものでした。
そして、セラピストが、直接病気の治療をする訳ではないけれど、患者さんを総合的にサポートし、患者さん自身の力が高まることで、実際に、癌、認知症、リウマチ、感染症、消化器疾患、精神疾患ほか、様々な疾患をお持ちの患者さんに対する素晴らしい臨床結果が報告されていることに、深く感激しました。
病院でアロマセラピーが使われている訳ですから、当然、禁忌の考え方も違います。
例えば、 日本では「この精油は妊婦には禁忌」というように、禁忌を強調して教えているように見えます。
趣味として家庭でアロマセラピーを行う場合は、確かに、絶対に事故が起きない様な禁忌の考えも必要かもしれません。
イギリスでは、「風邪薬を飲めない妊婦だからこそ、アロマセラピーを活用して健康に!」といった風潮が強く、妊娠中(中期以降)にプロのアロマセラピストによる施術を積極的に受ける方も多くいらっしゃいました。
他にも、癌の患者さんや、難しい病気をお持ちの患者さん、先天性の疾患をお持ちの方なども、アロマセラピーを始めとする自然療法と現代医学を上手に併用していらっしゃる方が多く見られ、日本との違いに驚いたものです。
アロマセラピーの資格 その③ ~日本で英国の資格を取るということ~
まだまだ、お話足りないことがたくさんあります。
イギリス式の補完療法としてのアロマセラピーのお話を聴きたい方、是非IMSIのアロマ体験会にいらしてください。