2019.07.03
病院の中のホリスティックケア報告2「注意転換法」、病院のチャリティについて、ほか
キース・ハント先生のワークショップ報告の続きです。
病院におけるセラピストの役割とは?
セラピスト自身が「治療」をすることはありませんし、
治療についての助言をすることもありません。
笑顔やと傾聴、そしてタッチングを通して患者さんに寄り添い、
患者さんの「旅」を少しでも明るく楽しいものにすることこそが、
セラピストに与えられた役割なのです。
ロイヤルフリー病院では、セラピストは白衣ではなく明るい色のシャツを着ています。
キース先生のお気に入りのユニフォームは、ピンク!
他にも、黄色やオレンジなどのシャツをよく着ているのだそうです。
アロママッサージ以外にも、セラピストが使う手法があります。
注意転換法と呼ばれる、注射針の恐怖症の方に使われる方法です。
患者さんの手を取り、「好きな場所は?」という質問を投げかけます。
家の近くの公園だったり、家族で行った旅先だったり、お婆ちゃんの家だったり、
答えはそれぞれですが、
「そこにはどんな花が咲いているの?」
「鳥は鳴いているの?」
「その水は、揺らいでいる?」など、
その場所についてイメージを膨らませられるような質問をどんどん投げかけていきます。
セラピストの問いに誘導されて、患者さんは、まるでその場所にいるかのよう。
2人とも笑顔になり、益々話が弾みます。
すると・・・、あら不思議!
もう注射が終わってる!
患者さんは、注射針がいつ刺さったのか気づかない程、お喋りに夢中になっていたのです。
こんな風に、看護師と「阿吽の呼吸」で患者さんをサポートしているのですね。
因みに、この方法は自分自身に対しても有効で、
キース先生は歯医者の治療を受けながら眠ってしまったこともあるそうです(笑)。
病院で働くセラピストは、タフな仕事。
患者さんとのバウンダリー(境界)が重要です。
また、セルフケアスタッフ同士のケアもとても大切。
ロイヤルフリー病院の補完療法チームのお部屋では、
こんな風にセラピスト同士がミニ交換セッションをする姿が良く見られます。
キース先生も、いつも冗談を言ってスタッフをよく笑わせているのです。
セラピストは、仕事に関する心配事や個人的な悩みなどを気軽に話せる相手も必要です。
医療スタッフとの連携だけでなく、セラピストチームのチームワークも重要なのですね。
セラピストの資質とは?
何よりも「グラウンディング」していること。
もちろん、セラピストが心身共に元気であることが、患者さんへのより良いセラピーに繋がるのです。
さて、
ロイヤルフリー病院のアロママッサージでは、年間2千リットルものオイルを使用します。
その他の経費も、全てチャリティ(寄付)で賄っているのだそうです。
↓アロママッサージほかにも、院内にこんなサービスが!(ご自由にどうぞのお菓子とお茶)
病院の正面玄関近くにはチャリティオフィスがあります。
私が訪ねた時も、寄付に訪れる方がいらっしゃっていました。
チャリティオフィスでは、たくさんのイベントを企画して、寄付を募っています。
患者さんへのサービスを向上させるために資金を確保するのも、キース先生たちの大事な仕事です。
「MBE(大英帝国勲章)を授与されて良かったことは、寄付金が増えたこと!」とニッコリ笑うキース先生。
この活動が末永く続いて、もっともっと必要な方へアロマセラピーマッサージの手が届きますように!
↑5年前の写真ですが、ロイヤルフリー病院の補完療法のお部屋でレクチャーを受けさせていただきました。
ワークショップレポート、まだまだ続きます。続きは実技ですよ!
次回の来日セミナーは、南アフリカのインガ・ドーガン先生。是非ご参加ください!
インガ・ドーガン来日「セラピューティック・リフレクソロジー」
英国のアロマ事情もご紹介している無料体験会。ご興味のある方是非いらしてください!