2011.02.10
子どもを見守り育てる 研究フォーラム 続編
昨日のブログの続きです。
文部科学省主催の「子どもを見守り育てる研究『新しい公共』フォーラム」
午後の部が始まりました。
私が選んだ分科会のテーマは
家庭教育支援でつながる
学校・家庭・地域のネットワーク。
↓妹が司会進行をしていました。
冒頭では、
都市化や核家族化、少子化などによる地域のつながりの希薄化し育児環境が大きく変化する中、親が安心して子育てを行うことができるような、学校・家庭・地域をつなぐネットワークづくりが求められているとのこと。
その中で、どのような取り組みがあるのか?事例や課題、新たな可能性にについて発表されました。
私が興味をもったお話を紹介いたします。
東星学園 小中高 幼稚園園長 加勇田 修士先生のお話。
先生は教育カウンセリング学会の常任理事で、ご自身が保護者、そして子ども達と深く関わりをもつカウンセラーでもあります。
先生は、日頃、保護者と話をするときに、マズローの5段階欲求説を示して、
「ご自身はどの段階に位置していると感じますか?」と聞くそうです。
教育・心理学では良く耳にする「マズローの5段階欲求説」とは
⑤ 自己実現の欲求
④ 承認の欲求
③ 愛情の欲求
② 安全の欲求
① 生理的欲求
下から順番に、つまり①の次に②の欲求が芽生える、①から④まで満たされて、始めて⑤の自己実現の欲求の道を歩き始めるというもの。
先生の質問に、ほとんどの保護者が④とか③と答えるそうです。
しかし、実際はほとんどの方が②の段階なのだそうです。育児の課題を聞きながら、それを説明することから始めるのだそうです。
「子どもが心理的な葛藤を持っているとしたら、まだ安全の欲求が満たされていない」
しかし、この段階が分かったとしても、具体的な対応の仕方が分からない、ということが多いので、3つのことを親にお願いするのだそうです。
① 子どもの人生はこどもが主人公であることの徹底
(何事も先回りしない。子どもより先に口をきかない。質問・命令口調はやめる)
② 子どもの世界を子どもの目で見る姿勢
(大人の価値基準を優先させない。話をしてきたら真剣に話を聞く。片手間でなく、子どもの方向を向いて。話の内容に評価はしない)
③ 試行錯誤を認める
(失敗やトライアルを通して子どもは自立する。悩むことを支持する。子どもとともに揺れ動くように心がける)
この話を聞いたときに、「うーん。なるほど」と思いました。どんなママにも、このような考えがあったとしても日々の生活の中で、意識しづらい。。。でも、自己実現の話の後に、3つにまとめられて、伝えられると脳に残るなぁ。。。
「教育カウンセラーの勉強してみたいなぁ。。。」
加勇田先生からは、その後、事例が報告されました。
そして、次の杉並区立中学校の校長先生 藤川 章先生の話。
集団の中で子どもを育てる教育として
● 積極的な指導(予防開発的)・・プロアクティブ・ディブロプメント
● 消極的な指導(問題解決的)・・リアクティブ・セラピー
があるが、予防開発的プログラムが断然効果的であるとのこと。
そして、先生が子ども・保護者・地域の方と連携しているプログラムが紹介されました。
ビオトープやボランティア、漢字・英語検定、伝統文化のプログラムなどなど、盛りだくさんのプログラムやイベントが。
この中学校に通う子どもたちは、暇になることはないだろうな?
などと頭をよぎりました。
先生は最後に、
「教員には転勤がある。いい保護者がいても、子どもが卒業したら、いなくなる。残るの地域の人だけ。だからこそ、地域につながるネットワークなしでは、この開発的プログラムが育たない」
というコメントを残されました。
先生方のお話を聞くうち、近所のママや新聞などで見る「日本の教育はダメ」とか「最近の小学校は私達の事態と比べてあれている」・「先生が何もできない」というような話もあるけれど、「日本でもいろいろな実例ががあるのだな?」と感じ、少し安心したというか、嬉しいというか、自分の地域で不足しても、人々が、そして自分自身が意識すればできるかもしれない。みたいな勇気が湧きました。
フォーラムでは、日頃の仕事と異なる世界を知ることとなり、いろいろな刺激がありました。その中で自分の専門分野においての役割についても考えるきっかけとなりました。
これについては、また書きたいと思っています。
↓ 途中、息子が飽きたようで、私達は会場の外で運動会をすることになりましたが、大変充実した楽しい一日となりました。
↑ カエルで階段をあがったり、ワニでフロアーをはいずりまわったり
ママも30メートル走を30回くらいしました(笑)
↓ フォーラム終了後、お疲れ様会をかねて。
始めてみる花火。キャンドルと思い、何度もフーフしていました。