冨野学院長のブログ

2024.10.05

精油ブレンディングにおいて大切なこと その1 個人セッションの場合

「どうやったら精油ブレンディングが上手になれますか?」というご質問をよくいただきます。

更に「精油は何種類混ぜるのがよいですか?」「同じ系統の香りを混ぜれば失敗しないですよね?」「トップ、ミドル、ベースすべてを使わないとダメですか?」といったご質問も……。

答えは実にシンプルです。

皆さんのおうちの今日のお味噌汁は、どんな具材のお味噌汁でしょうか?

人参、茄子、きのこ、わかめ、油揚げなど、色とりどりのお味噌汁でしょうか?

豆腐とわかめのシンプルなお味噌汁でしょうか?

大根、人参、牛蒡など、根菜スペシャルでしょうか?

何が言いたいかと言うと、精油ブレンディングは、家庭料理みたいなもので、決まりはないのです。

トップ、ミドル、ベースを含むバラエティー豊かなブレンドは、色とりどりのお味噌汁のようなもの。栄養バランスにも優れていることは間違いありませんし、もし苦手な具材があったとしても、他の具材に紛れて、気にならなくなります。

違う系統の2種のブレンド(例えばトゥルーラベンダーとペパーミント)は、豆腐とわかめのお味噌汁のようなもの。こちらもシンプルで美味しいですよね。異なる具材が、お互いの足りないところを補い合いながら、ハーモニーを奏でています。

同じ系統の香りでまとめるブレンド(例えばローズマリー、ユーカリ、ティートリー、この系統はカンファー調)は、根菜スペシャルのお味噌汁のようなもの。系統が似ているということは作用も似ているので、ピンポイントで効果を狙いたいときにおすすめです。(例えばカンファー調のブレンドは風邪予防に良いですね。)

皆さんは、今日、自分のためにどんなお味噌汁をつくりましょうか?

個人セッションにおけるブレンディングは、セラピストがコンサルテーションでクライアントの心身の状態をじっくり観察すること、そしてクライアントご自身に、身体の声に耳を傾けていただく姿勢がとても大切です。

これが、ブレンディングのテクニック以前に、とても大切なことなのです。

「ドンピシャリ!」の精油を選べば、例えブレンディングしなくても、クライアントが「これが好き!」とポジティブに反応してくれます。

ベチバー精油を差し出したら、「これよこれ!!今の私に必要な香り!!」と仰って、ボトルをずっとクンクンと嗅いで手放さなかったクライアントがいました。

更年期によるイライラ、不眠、ホットフラッシュがお悩みのクライアントでした。

このような場合、無理にブレンディングする必要はなく、シングルや、元の香りを損なわない、ごくごくシンプルなブレンディングに留めるのがおすすめです。

(精油の香りが強すぎると感じる場合は、濃度を抑えることで調整します。)

個人セッションにおけるブレンディングの秘訣は、ブレンディングの教科書やマニュアルに囚われすぎないほうが良いと考えています。

むしろ個々の精油のプロフィール(科、抽出部位、原産国、化学組成など)をしっかりと学び、解剖生理学の知識を付け、コンサルテーションスキル、特に傾聴スキルを磨くこと、そして、何よりクライアントに寄り添うセラピストマインドが大切です。

次回は、空間芳香プロデュースのためのブレンディングの秘訣について書きますね。

個人セッションのためのブレンディングと、空間芳香プロデュースのためのブレンディングは、考え方が全く違うのですよ。

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