嵯峨副学院長のブログ

2011.10.16

メルボルン ファンデーションハウス  トラウマケア

今日は、ガブリエル先生の講座の2日目。日曜日ですね。

オーストラリア出張に行ったときの様子をブログに書いています。



この日は、メルボルンにある難民支援を行っているNGO組織
ファンデーション・ハウスを訪れました。

オーストラリアといえば、過去にイギリスの流刑地となったことや、ヨーロッパ、トルコやギリシャなどの国々、アジアからも、新天地の場所として、世界各国からの移民が多い国。

世界地図的な位置関係や、他の国と比べても、海外からの受け入れに対して、受容性が高いこともあり、自国での生活に苦難を感じる人たちが、難民として、数多くオーストラリアに入国している歴史があります。

現在では、諸所の問題があり、受けいれに慎重姿勢をとってはいるものの、英語圏の国では考えられないほどの数の人が流れつき、そして、それに対しての直接サポートをしている国でもあります。

さて、メルボルンのファンデーションハウスとは、どのようなところなのでしょう?

サイトをみると、


What is Foundation House?


The Victorian Foundation for Survivors of Torture (VFST), or ‘Foundation House’ as it is also known, provides a range of services to people from refugee backgrounds who have survived torture or war related trauma.


Foundation House provides direct services to clients in the form of counselling, advocacy, family support, group work, psycho-education, information sessions and complementary therapies. Direct services to clients are coupled with referral, training and education roles aimed at developing and strengthening the resources of various communities and service providers.


Foundation House provides services across Melbourne with offices in Brunswick and Dandenong. Services are also provided in a number of rural and regional centres across Victoria.


Foundation House is non-denominational, politically neutral and non-aligned.

というこようなことが書かれています。

難民や、戦争や激しい苦難をしのいできた方のトラウマケア・サービスを行っている団体ですが、そのプログラムの核の中にコンプリメンタリーセラピー(補完療法)のメニューがあるのです。

↓ 詳しくはサイトへ
http://www.foundationhouse.org.au/about/index.htm

今年の8月、メルボルンでの出張日程を考えているとき、このファンデーションハウスで自然療法(ナチュロパシー)や、ボディマッサージをしているプロフェッショナルの人がいるとの情報が手に入りました。

また、ハーバルメディスン協会のカンファレンスなどで、そこのでの活動を発表して注目を集めていたということを聞いて、連絡先を入手、コンタクトを取ってみたのです。

日本でも、東日本大震災に関連して、新聞やテレビ、専門家の間からもトラウマケアが必要と言われる状況の中で、

「オーストラリアでのトラウマケアに対する自然療法ってどのように行われているのだろう?」

という気持ちともに。。。

コンタクトをとった専門家の方のお名前は Jenny Adamsさん

お返事では、「まだ、ファンデーションハウスで働いている。その他、メルボルン市内の統合医療クリニック、自然療法の学校、エンデバーカレッジでのスーパーバイザーなどもしていて、忙しい毎日だけれど、それでもよければ、、、YOSHIKOにも会ってみたい。メルボルンでの空きスケジュール教えてくださいね。」

とのことでした。

私の方も、IMSIと自分自身の自己紹介、今回の出張の目的をシンプルな英語に直して、スケジュール予定を送り、ジェニーさんに見て頂きました。そして、運よく、ファンデーションハウスの訪ねつつ、ジェニーさんのお話も伺える機会を得たのです。

さて、メルボルンからは、市営のバスに乗って行くことが出来ます。
中心部から、19番のバスで20分くらいとのこと。



地図に合った、停留所でおり、ファンデーションハウスに向かいます。

ところで、メルボルンのバスの停留所には、番号がついています。

世界の、どこから来た人も、数字なら分かる、だから、自分がおりる停留所が誰でも分かる仕組み。

バスの中から、自分の降りたい停留所の名前の字が小さくて見えなくても、数字だけは、はっきりと見えるので、どこで降りたらよいか、ドキドキしなくていいわけです。

乗り過ごしなどが、心配ないわけで、とても便利でした。

例えば、自分の降りたい停留所が23なら、20、21、22、「さぁ次だ!」と心の準備ができるでしょう!!??(笑)

・・・まぁ・・・ ブレインジムの出張で、アメリカのポートランドに行ったときは、バスの運転手さんが、大声で「日本人の女の子、ここが、あなたの降りる場所だよ~」なんて声をかけてくれましたから、このようなラッキーなこともあるけれど、「気さくな運転手さんだったら」みたいな偶然も必要ですよね。


さて、バス停をおりて、なんだか、あまり標識がないし、人気もない静かなところでしたが、印刷したグーグルの地図で再確認。しばらくして、サインを見つけました。



ホームページでみたロゴや色と同じで、ホッとします。



夕方の4時半のお約束で、少し前に到着。



エントランスに入ると、こじんまりとしたロビーがあります。
利用者の方がいらしたので、場所がら、撮影は出来ませんでしたが、
入口の横にセルフドリンクコーナーが置いてありました。

受付で、ジェニーさんとアポイントがあることを伝えると、
少しして、彼女が迎えに来てくれました。


 
とても、優しい表情と柔らかな落ち着いた声の持ち主の方で、私もリラックス。

きっと、ここに来る方も、この雰囲気に安心感を持つのだろうな?という気がしました。

ジェニーさんが、中を案内して下さいました。



セラピールームやカウンセリングルーム、ハーブやそのほかのトリートメントグッズが管理してあるスタッフルームなどがあります。



この日のシフトに入っていた女性スタッフの方とジェニーさん。

ナチュロパシックディスペンサリーの撮影許可を頂きました。



ハーブティンクチャーは、この通り、たくさんの種類が。



トリートメントに使うオイルとエッセンシャルオイル。



エッセンシャルオイルは、エンデバーカレッジでもそうでしたが、先にご紹介した、ロン・グーバさんのエッセンシャルセラピューティクスのものが置いてありました。

下の写真は、地域で取れる、オーガニックハーブ。
ハーブティはよく利用されるとの事。



それから、隣のカウンセリングルームが開いていたので、中を見せていただきました。

中庭から、植物が見えるような工夫がしてあります。



↑ ここは、カウンセラー、そして、サイコセラピスト(心理療法)を行う人が主として使うお部屋だそうです。椅子は落ち着いたオレンジでした。



カウンセラー、ヘルスプラクショナー、地域関係者の向けの専門教育を行ったりする会議室などもありました。

この部屋からも緑が見える仕組み。。。わざわざ、植えてあるのだそう。






廊下には、いろいろな機関、団体から表彰された賞状がかかっていました。

↑ 国連の難民救済組織からの表彰、20年以上の長年の功績で表彰されたようです。
日付は今年になっています。

続いて、トリートメントルームの案内をして頂きました。



↑ トリートメントルームのひとつ。
やはり、窓から緑が見えるようになっています。

夕方という時間帯、そして、電気をつけていない状態ですので、この写真では、少しくらい感じがしますが、実際は、この時間でも、自然光が十分で、とてもリラックスした環境を作り出しています。



私達は、このお部屋でお話をすることになりました。

ファンデーションハウス&ジェニーさんとの時間は、約1時間を予定していましたので、私自身、見学、お互いの自己紹介の後、お話伺える時間は、正味30分強の時間になるかな?と想像、予め、ある程度の質問事項をまとめていました。

さて、ここで、ちょこっと裏話ですが、実はこの準備は、今回の出張準備の中で、大変だったことの一つです。

「自然療法をする人が、どのように関わっているのかを知りたいな」と思ったのですが、まずは、お会いするにあたり、団体のことを知っておくことが大切と思い、リサーチし始めたところ、その、情報の多さゆえ、深みにはまり、脳細胞がおかしくなりました(苦笑)。

難民という、日本で身近な存在ではない言葉、下調べをする段階で、このようなトラウマケアを行政や地域にからめて、総合的に行っている組織が日本にはないこと、また、私自身も、トラウマケアの専門家ではないので、比較イメージがなく、どこまで準備すればよいか?自分も分けが分からなくなることも。

最終的には、このワークについて述べられた、PDFに落とされた、PhD博士論文まで目をとおしている自分もいました。息子が寝た夜中に、ごそごそと、目をこすりながら、この論文を読んでみたり、、、

慣れない英語で、時間的にギブアップしたところも多かったのですが、印象に残ったのは、やはり、ケーススタディでした。

例えば、アフリカのタリバンから逃れてきた女性の話。

家の中に男声の兵士が入ってきて、着ているものから持っているものまで、何から何まで奪っていく、、、監禁される、、、、人間の生活とは思えない生活が続く。。。

その中で、自分は逃れてきたが、妹は、まだ現地に残っていて、怖い、痛い、苦しいと連絡が来る度に、過去の記憶と、妹を案ずる気持ちで、心がはちきれそうになる。まったく、眠れないし、身体のあちこちが痛くなる。。。

そのようなトラウマを持った方が、ハーブで、タッチを介して、どのような変化をしていくのか?

そんな、ストーリーが書かれています。

トラウマといっても、戦後、豊かな国に育った私には、とても考えられない世界で、想像するだけで、胸が痛く、呼吸が、あらくなりました。

・・・・

少し、話がそれましたが、ジェニーさんとの時間に戻ります。

トリートメントルームで、ジェニーさんからは、ファンデーションハウスの年間報告書を頂き、コンプリメンタリーセラピーの関係のあるページを教えて頂きました。





ハーブのこと。トリートメントのこと。そして、ヨガの写真もありますが、ジェニーさんは、実はヨガの指導もします。

こことは違う場所でも、長年マタニティヨガなどのセッションもしているとのこと。

さて、私からの質問ですが、いくつか自分のメモを確認しつつ、ジェニーさんが、この活動を表現する中で、静かに、そして強調された部分をひろって、そこを聞くという風に、自然に流れました。

○ カウンセラーや心理専門家、そして、セラピストとの協力のしくみが、どのようで、どのように作られていったのか?

○ 公の場でも表現している「ユニークなインテグレイティット(統合)システム」の意味、

○ 実際に、強いトラウマを抱える人を迎えるにあたっての工夫や、担当する側の自分自身のコントロール

など、いろいろなお話を伺うことができました。

追加はIMSI TIMESなどで、追々書いていきたいと思いますが、

ここでのサービスは、カウンセリングサービスに加えて、

ハーブなどの処方、
ボディマッサージなどのトリートメント、
家庭でも使えるアロマセラピーオイルの処方
などが、専属プラクティショナーから、無料で受けられるようになっています。

そして、数多くあるプログラムの中で、コンプリメンタリーセラピーが、トラウマケアの中でも非常に重要な役割をしていることを知ることになりました。

短い時間でしたが、日本では、例にないようなモデルについて
貴重なお話を伺うことができました。

ジェニー先生、ありがとうございます。

帰りは、近くのバス停まで、車で送っていただきました。

他のスタッフの方はお帰りになられていたので、タイマーで写真撮影をしました。



・・・・・

この、ファンデーションハウスを訪ねた日は、メルボルン滞在の最終日でした。

前日に、エンデバーカレッジのAnne先生から、お電話を頂き、先生のご友人のプラクショナーの方と夕食を一緒にどうか?とお誘いを頂いていましたので、そのままシティセンターへ向かいました。

続く・・・


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