2014.03.18
健康運動指導士の更新講習会にて、国の身体活動指針について学びました。
大学卒業した年に取得した健康運動指導士。
資格更新のために義務付けられている基礎講座に参加しました。
会場にぎゅーと250人が詰め込まれ、ひさびさに混んでいるセミナーを体験。
午前中の講演が面白かったのでに情報のシェアを。
独立行政法人 国立健康・栄養研究所、健康増進研究部
宮地 元彦先生
タイトル
「新しい身体活動基準2013年、身体活動指針(アクティブガイド)」
講演内容のまとめ
ちなみに、こちらは指針は上記の団体のウエブサイトから調べられますので、ここでは、ざっくりと書きます。
〇 国民の健康について、厚生省管轄のもと大学や病院などの機関がいろいろな追跡調査、エビデンスをもとに把握、施策を考えられている。
〇 前回の施策は2006年、しかし、結果が思うように変化しなかった。そして今回改正されたのが2013年のアクティブガイド。
〇 エビデンスより、身体活動、運動不足は日本人の死亡の3番目のリスクである。(1位喫煙、2位高血圧、3位運動、身体活動不足)
〇 今後の日本では単なる寿命でなく「健康寿命の延伸」が重要で、それを妨げる3大要因は、メタボ、ロコモティブシンドローム、心の問題(うつ、認知症の問題)と言われる。身体活動と運動不足がこれらのリスクファクターになっていることが分かってきた。
〇 1997年~2009年の追跡調査では、男女ともに、ほぼすべての世代において1日あたりの歩数が減少、運動習慣率も減少。特に、都道県別にみると電車が発達していない地域で顕著。どのくらい運動量が減少しているかというと、1日10分程度、30キロカロリー分。ということは1年に換算すると、10年前の状態より1,5㎏太りやすい(エネルギー過剰)といえる。量が少ないと思われがちだが、10年で15kgというのは大変な数字。
〇 運動習慣者の減少項目については、深刻なポイントとして「20代ー40代の女性」現象率について注目する必要がある。
女性が働くようになってきているが、日本の男性の育児参加率は世界の統計でも最も低い部類。女性の育児家事はそのまま、追加で仕事もし、自分の時間がほとんど持てなくなっていることが考えられる。しかし、10年前に比べ、女性の体重は増えていない運動量が減っている結果がでている。ということは、単純に食事内容が貧窮化している。
〇 健康づくりのための身体活動基準のポイント
変更点、
成人、基本的に従来通り。高齢者、身体活動を40分とする。全ての世代、今より毎日10分多く歩くことが重要。
安全な身体活動・運動実践のために、①階層化をしっかりする ②運動前の安全、体調チェック ③準備整理運動の徹底。
また誤った方法で身体を動かすと思わぬ事故やけがつながるので、以下注意事項が盛り込まれた。
①身体を動かす時は時間を少しずつ増やす。
②体調が悪い時に行わない。
③病気や痛みのある場合は、医師や健康運動指導士などの専門家に相談を。
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感想
最近子どもの外遊びが減った、運動量が減った、と感じている親の世代が多いし、私自身もそういう視点をもって活動してきています。
しかし!!!
このセミナーでは成人女性についての話が強調されました!
子どもの心配もそうだけど、大人の女性、私たちにも目を向けるのを忘れないようにしなければ、という事実が。
私たちの年代。太っている女性も少なくなってきているので、すっかり忘れがちになっていたかもしれない。
宮地先生が面白い発言をしていました。
「美魔女とか細い女性がいるけれど、夫は70でメタボで先にいったとして、平均寿命からいって女性はそのあと10年以上、一人で生きていくことになるかもしれない。運動もせず、栄養が不足しているのだから、年をとると脳や身体がガタガタなっていて大変ですよ。このセミナーで話したように、運動や身体活動をしっかりしておくことで認知症の発症が平均2年遅れることがわかってます。健康運動指導士の皆さん、どういう意味だかわかってますよね。予防には大きな意味があり、身体活動が必要とでているのですよ!専門家としてしっかり伝えていきましょう!」
うーん。考えさせられる言葉。
スポーツに限らず、身体活動レベルが大切ですので、多くの方が何か楽しいことで実践できたらいいですね。
さて、私と同じ年代の女性の皆様、いかがでしょう?
身体を動かしていますか?
そして、5年前と比べて身体を動かす時間は増えていますか?減っていますか?
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健康運動指導士を対象とした講座、今年は、いくつか参加予定です。
更新年ということで、参加義務ともいえますが(汗!!)
行ってみると本当に視点が増えいるというか、刺激というか、どんなことでも勉強になります。しっかり学び、知るだけでなく、情報を活かす活動をしていきたいと思います。
英国IFPA認定アロマセラピストや南アフリカのコースディプロマコースでも今年から「セラピストのための健康運動」の授業をカリキュラムに入れています。
この分野は国の文化や習慣が大きく影響する部分なので、海外のディプロマコースだとしても、国内の情報を取り入れる授業内容にしたいと思います。
過日の講演。
国の施策に関わる調査をしている専門家や、医師の話から「これからの日本」という視点で、ものを考える大切さを知りました。
病気の原因となる要素をエビデンスからも理解しつつ、病気にならないような生活習慣をつくっていく行動が大切で、それを国が求めていることも知りました。
「病気」になった後では遅いこともありますね。
なる前、予防についての重要性は大きく。
身体活動が、どのくらい必要で、どのようなことをすれば理想的かということを、
セラピストさんにも共有したいと思います。
エビデンスの文章とか沢山の文字は大好きという訳ではないのですが、実践面との、両面のバランスは大事!
ガンバロウー!!!