2014.05.25
高校生のラグビー選手65名の方にスポーツブレインジム&原始反射ワークを紹介させていただきました。
ブレインジムはアメリカの脳教育プログラム。
原始反射という言葉は、一般になじみが薄いようですので簡単にご紹介を。
原始反射は人間の初期にみられる身体の動きで主に脳の脳幹でコントロールされています。
原始反射にはいくつかの種類と発生時期があり、この時期に十分刺激され、活用されてくと、やがて「統合」し、より人間らしい意図的な「動き」への成長につながります。
原始反射は、すべての動きの「土台」であり、
また、上位脳が発達するための「土台」ともなっているので
脳にも、身体(動き)にも、深く関係しています。
欧米では、この原始反射の考えに基づいた発達のためのプログラムが開発され、発達障がい、LD、自閉症や脳障害などの子どもたちのサポートとして報告されています。
私自身、これらのことを初めて学んだのは2005年、
「うん?これは運動やスポーツの世界に大きく関係している」
と実感をもちました。
なぜかというと、
「なんで、この動きができないんだろう?」
「なんで、無意識に身体が、動いてしまうんだろう?」
「気持ちが、すぐに身体の動きにでてしまうのだろう?」
というようなことが自分自身の体験にもありましたし、決して才能に恵まれた選手ではなかったからこその「気づき」だと、思いますが、脳と身体の関係は、はるか昔小学生のころから、深い興味と影響をうけていたのです。
脳と身体に関係する海外のメソッド4つ
脳と体の関係は、特にスポーツに役立つことがあるのではないかと感じ、スポーツに特に関係する部分を選手用に絞り、練習生活で取り入れやすいように枠を作りました。
昨年来日した、教員として、コーチとしてスポーツ選手に原始反射の活用して25年が過ぎている世界でも稀有な存在、米国の大先輩、キャロルアン氏にもアドバイスをいただいています。
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さて、高校に到着してすぐに監督とコーチの方と打ち合わせを。
それから、選手たちが授業を終えて格技場に続々と集合しました。
練習前に40分間いただき、
〇スポーツにおける脳と身体のつながり
〇自分のペースをつくる、最も基本となるブレインジム
を紹介をさせていただきました。
その後、監督からのご依頼でケガや身体的にも精神的にも負担が多くかかっている2名の選手の個人セッションを。
ラグビーは、コンタクト(タックル)が普通、競技時間が長く、練習中、試合中の怪我のリスクが高いスポーツ種目。
脳震盪や、骨折、靭帯損傷もあります。
ケガをもちながら、競技スポーツをするときは、その怪我の度合いにもよりますが、脳の中では恐怖、緊張、過去の記憶と、より強くつながることがあります。脳は司令塔で、身体とも密接につながっていますので、行動、身体の動きにも影響がでます。
ケガは選手に限らず、人間であれば、誰しも、恐怖を感じるものです。
そして、原始反射ですが、一度、発達期に「統合」していても、怪我や大きなトラウマなどにより、再度、その動きがでてくることがあります。
今回のセッションでは、自分自身の脳と身体のつながりに「安心と信頼」を深めていくという視点で、原始反射の確認と統合を含めた「学び」のワークを行いました。
選手には、ランニングやポジション別の動きを使って、自分自身の身体感覚で変化や「気づき」を確認していただきます。
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個人セッションの前後でグランドでの練習も見学させていただきました。
基礎の動きや、ポジション別の練習、それから、筋トレ、コンディショニング練習。
監督やコーチが指導されていた「理想な動き、身体の動かし方」。
1年生から3年生まで人数が大変多いものですから、同じ練習内容でも、選手の動きは様々です。
どのような原始反射や発達運動パターンが関係するかな?というのを、観察しながら、リアルに発見しました。
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脳について、原始反射に関連する項目からのアンケート。
選手からの質問もありました。
「緊張で上手く身体が動かないことがある」
「強い相手が目の前にいるときの恐怖を減らしたい」
などの言葉が、対戦相手のあるスポーツならではですね。
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監督やコーチ陣の方からお声をおかけいただき、また継続させていただくことになりましたので、次回以降は、より実践的な、練習の中にくみこむスタイルでのブレインジムや原始反射ワークを提案させていただきたいと思います。
国内で、ほとんど知られていないようなワークに関心と好奇心をもってくださった同期の原さんと監督、チームの皆様に深い感謝を。
リクエストいただきながら、チームの皆様が活用しやすく、役に立つメニューを考えていきたいと思います。