2016.04.06
膝前十字靭帯、手術前の原始反射チェックと気づきの活用
武術の練習で定期的にブレインムを紹介しています。今回は、子ども達のレッスンの前にコーチの原始反射統合確認チェックをする時間をとりました。
〇主な内容
1)<コーチミーティング>
選手(大会にでる)と育成(大会はあるけれど楽しむ段階)の練習において、コーチからみた子供たちの心身について
2)<コーチのセッション>
膝、前十字靭帯断裂後の原始反射統合確認セッション
3)<子どもたちへのレッスン>
小学校低学年への武術レッスン内でブレインジム原始反射の導入
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1)<コーチミーティング>
コーチからみた子供たちの心身について
指導で見本となる理想的な動きを、選手がなかなか得られず、声をかけても、あまり変化がないケースで、どのような支援ができるか?原始反射やモチベーションについて、どのような角度からアプローチできるか?を話し合いました。
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2)<コーチのセッション>
膝、前十字靭帯断裂後の原始反射統合確認セッション
昨年末にアクシデントから左膝前十字靭帯断裂を生じ、現在リハビリ中で翌週手術
を控え、原始反射の影響を確認する。
※補足
・原始反射は身体的、心理的トラウマで心身の行動面に影響を及ぼしやすい。
・コーチは現役を引退し数年以上経過。22歳で右アキレス腱断裂、27歳で右膝前十字靭帯断裂、30代前半で、武術で日本代表、東アジア大会にて銀メダルを獲得。来週、左側の膝の前十字靭帯断裂の手術を行う(42歳)現在では、武術初心者への指導、選手の指導(小学生から大人)、大会審判等をされています。
・怪我が一般的といわれ、身体スキルが強く要求される採点競技スポーツゆえに、動きの発達や原始反射、メンタル面強化の重要性に興味をもたれ、指導に導入されています。
<目的>
片側の膝の靭帯損傷による、全身の影響を確認する
心身の統合状態と気づきの確認
<項目>
首、足、背中とかかわりの大きい原始反射
・ペレーズ反射
・ランドー反射
・ガラント反射
・バビンスキー反射
・緊張性迷路性頸反射
・足底反射
・身体の認識確認
・動きの統合までの時間をみる
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3)<子どもたちへのレッスン>小学校低学年へのレッスン
・原始反射がもとになっている動きを丁寧に確認する
・ブレインジムを行う
・身体遊びをする
・メンタル面の統合をする
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武術の動き、型の練習をする
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<所感> コーチと共に確認した点
「ケガをしていない部分のカラダまで意識していないかった!」
(コーチとのセッションから)
・コーチとの確認はリハビリ中の左足よりも、右肩、右半身のシステムに変化がでていた。(ケガ前と比較)
・足、腰への回路が弱くなっていた(左右とも)少なくなっていた(ケガ前のとの比較)
・現在ケガをしていない右バビンスキーの反応が強い
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「あれっ!すごいキレのある動き、統合している!」
(子ども達とのレッスンから)
・子ども達の動きの統合レベルが、この2.3か月に進化特に、手、足と背中。
・特に耳からの情報、自分で考えて、それを身体で再現する力が飛躍的に変化していた。
武術の動きがスムーズに記憶されている。
・今まで「指導者が動きを見せる」ことで教えていた部分が、ケガで難しくなったことから、子ども達自身の感覚、目や耳、脳からの情報を増やしていく指導へと変更していたことが関係していることが予想される。
・子どもたち同士のコミュニケーションでは、自分が安心して、その場所にて、お友達との影響の仕方に、場のエネルギーに変化がでていた。
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終了後には、コメントをいただきました。
「キッズメンバーが、よしこ先生と楽しく学んでいた事が、最後の練習のキレのよさにつながった!ことを目の当たりにして、すごく嬉しかったです。
これまでの継続があってこそですが、子どもの成長の速度に感動しました。
自分の方は、原始反射チェックしていただいて、体の意外な変化に驚き、知ることができました。
術後のチェックをぜひお願いいたします!」
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今後に続く
競技スポーツには強い心と身体、技術力などの側面も大切なことでしょう。
一方で、サポート側や選手自身の気づき、発想、目の前の人を信じて、才能を伸ばしていく、
という側面の力強さも意識したい部分です。
この効果は競技もさることながら、
人生で一生活用できる「回路と資源」になるからです。
スポーツ分野のブレインジム導入を初めて時間が経ち、
意味づけや大切なものが、はっきり感じられるようになりました。
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オマケの話。
9歳の息子が先週、外遊びをしていて足首を捻挫しました。
週末の練習を休み、そろそろ、どうかなと思って原始反射のチェックと統合エクササイズをしました。
捻挫当日よりはいいですが、反射がまだ影響していて弱い力(繊細な)を生み出すことが難しいようです。
負荷のかからない運動からスタートしたいですね。