2017.09.05
International conference IFPA Aroma 2017
英国ロンドンにて開催された International conference IFPA Aroma 2017 に出席しました。
このカンファレンスでは、補完療法の歴史が長いイギリス国内での、アロマセラピー導入から継続、効果などをまとめた講演のほか、ハイチでの地震・自然災害支援について、アロマセラピーを学ぶ人では、知らない人がいないといわれる40年来の専門家であるロバートの精油の安全性・皮膚障害、皮膚疾患など、4つの講演が行われました
高い専門性をもち、長く継続してきている方の事例と研究結果は、参加した英国アロマセラピストにとっても刺激的で、内容が濃かったようです。ランチタイムやコーヒーブレイクのたびにわくわく感が伝わるフィードバックが聞こえてきましたし、講演後の拍手もなかなか、なりやまず、質問も積極的にかわされていました。
ブログでは、各先生のテーマと私が感じたことを投稿します。
※写真について
撮影:小川大輔さん
カンファレスでご一緒しましたIFPA認定講師の小川さんに許可をいただき掲載させていただきます。(私がとったものよりも、はるかに美しいのです(^^♪)
※今回のブログの文字数
実は4700文字くらいあります。
読み疲れたり、あきてしまうかもしれませんので、先にお伝えしておきますね!
興味あるところまで、どうぞ♥
<1日目 カンファレス>
IFPA会長で私の卒業校の校長でもあるGabriel Mojay先生から開会のあいさつと各講師の先生の紹介がありました。
<講演1> Anita Jamesさん
幼稚園からティーンエィジャーまでの学校、教育機関でのアロマセラピーについて、2003年からの事例が伝えられました。英国の子供たちはADD、ADHD、ディスレキシア、自閉症の数も年々増えているなか、親からのネグレクト、虐待など、不登校など様々な困難をもっている人の数が多くあることが伝えられています。その中で、学校の中で子供たちを癒し、守り、そして大人になる前に、自分に対して悲観的にならず、ポジティブな心身をもつという目的とともに、アロマセラピーが役立てられています。
子供たちは、香りをかぐことときに、好みや感想を自由に言える環境をもち、そこから、それまでは、会話やコミュニケーションまで、今まで得られなかったことまでが生まれていくのだといいます。
話を聞く中で、若い時期に、学校という場にも、「自分の居場所」を持ち、安心して、ポジティブな気持ちでいられるように、個人的にも、集団でもアプローチしているというお話がありました。
また、導入の難しさは常日ごろからあっても、多くの教育機関で伝えてきたが、学校側に完全にRefuse されたことはただの一度もないのだそうです。Anitaさんのお人柄や行動力による効果も大きいと思いますが、こういう活動で、子供たちが元気になっていくというお話には、とても深い意味を感じます。
<講演2>Julia Gravesさん
ドイツ生まれで、アメリカ、フランスなどに住み、生まれながらにしてハーバリストであるジュリアさん。
ハイチで地震に対して、現地で行ってきた自然療法クリニックにおける支援活動の様子が伝えられました。実際の手法としては、ハーブもホメオパシーも、現地のヒーラーやマッサージ師と協力していることもあり、アロマセラピーだけが手法ではありませんが、生きていくために必要なことはなんでもみつけていくという姿勢で、今までに4万人の支援をしてきていて、いまだ続けていらっしゃいます。
自然災害には、問題や課題、困難は少数でなく、実際に体験している人でないと、わからないほどのこと起きているといわれますが、特にハイチにおいては、伝染病の蔓延、全身の皮膚障害、女性の妊娠、出産、性的被害など、様々なことがあるなかで、「水の汚染」はかなり深刻な問題だったそうです。
きれいな水が手に入らないことによる不衛生状態があり、健康状態のサポートに対して、レッドクロスがきても、支援隊がきても、なかなか改善されていかなく、命にかかわる病気がひろがっていったことでした。
その中で、その汚染水(皆が使える水)に精油を科活用して(かなりかなり、通常の使用濃度は薄い)短期間で驚くほどの皮膚症状の効果があったや、実際に使われた精油の種類や方法などお話がありました。
ジュリアさんの「生きた話」には、あの精油の安全性やエビデンス研究の整理で有名な、ロバート先生も大変興味をもっていらっしゃいました。
地震のあった2010年から7年以上になるこの活動はハイチの村の子供、女性との心と体の懸け橋になっていることが伝えられ、たくさんの支援寄付金もあつめられました。
<講演3>Angela green さん
アンジェラさんは2005年からNHS Tustで仕事をし、英国ウエールズ、カーディフにあるクリニカル補完療法のVelindre Cancer Centre にてアロマセラピーを用いたケアをされています。
今回の講演では、キャンサーセンター(がんセンター)と共同して行われるアロマセラピーのなかで、最も大きいタスク「不安のマネジメント」について事例とともに紹介されました。
このセンターでは、患者さんが無料でサービスをうけることができ、フルタイムやパートタイムスタッフが日ごろの活動をサポートしています。
入院患者さんは診断、治療のなかで、何度も不安の波におかされやすく、患者本人だけでなく、その家族、周りの人も、そのような心身の痛みを共有することが多いとされています。そのような中で、個人にあわせたアロマセラピーだけでなく、REIKIやリフレクソロジー、リラクセーションテクニックも提供されています。
がん患者さんに生じやすい不安の型や気を付けたいこと、マッサージをすることについての考え方や長期にわたる事例と結果などが伝えられ、また、患者さんに対する言葉の使い方も、とても大切だということが強調されました。
講演後に先生にお聞きしましたところ、ひとりひとりに合わせたアロマセラピーブレンディングが丁寧に行われていることを知り興味をもちました。
<講演4> Robert Tisserandさん
Essenntial Oil Safety の著者でもあるロバートさんからは、精油の安全性~皮膚への強い反応をさけるために~というテーマでお話が進みました。
ロバートさんは40年以上、精油のブレンディングや活用法の開発、精油の安全性をまとめていく仕事をされているので、アロマセラピーを学ぶ方で、彼の名前を知らない人はいないのでは?とも。近年では数多く行われる世界中のリサーチから、香りの影響を様々な角度からみていくことをされています。
講演では皮膚刺激、アレルギー反応、光毒性、経費吸収率、性差、精油の酸化による
アレルギー反応の違いなど、皮膚と精油について、お話がありました。
私たちの皮膚は、刺激物質ふれても、すぐに、おおきく変化をするものではないけれど、みえないからこそ、原液塗布や高濃度での使用についてのリスクがあるという点もふくまれています。
いくつもの資料やロバート先生の講演から提供されました。
<ロバート氏の翌日のセミナー>
翌日は、精油の化学や官能基により分類について、5時間の1日セミナーが行われました。
このセミナーは参加している英国のセラピストも、英国在住の日本人プラクティショナーも「頭がいっぱい」「難しい!」を連発しているほど、中身の濃い内容でした。
リサーチといっても、精油だけの研究ではなく、単一の芳香分子であったり、ラットの研究、人研究など、様々なものがあります。そうした中で、香りの使用のガイドラインが導き出され、今まで、普通になんとなく理解されてきたことにたいしても、再度確認していく、という目や意識をもつことが提案されました。
うーーん!皆がうなり、刺激を受け、活発に意見がかわされる現場♥
終了後には、IFPA会長から、
「私たちはホリスティックにアプローチすることを大切にしていて、これからも、とても重要なのだけれども、これらエビデンスや、リサーチをみていったり、考えていくということも必要とされるし、その両方が大切。また、こういうことが学ぶことで、さらなる効果や安全性がより良い形でプラクティスに影響していくでしょう」
というようなお話がありました。
ものすごいスピードで、たくさんの資料を、カバーするロバート氏のセミナー。
私の方は、その多くの英語や言葉の詳細をききとることができませんでしたが、時々きこえてくる内容には、なるほどと思うことが多くありました。
終了後にも、英国のIFPA理事や何人かの先生方とお話をしましたが、やはり精油を扱うときには、目的や対象となるケースから考えられる安全性は重要で、それを意識して扱うことが大切なことと再確認しました。
また、香りがもたらす影響について、アロマセラピーの可能性や効果についても、ますます興味をもつ時間となりました。
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<2日間のカンファレンス、セミナーをおえて>
今後も英国の本部とは、連携や情報を交換しながら、指導のフレームについて話われることとなっています。今回のカンファレンスに日本から参加して、リアルな声を聴く時間がもてたことは大変大きな意味があったと感じています。
また、世界中で行われているリサーチに加えて、病院、教育、福祉分野で事例が多く、継続臨床されているプロフェショナルのエネルギーの高さに、とてもワクワクと触れることがきましたので、スクールに持ち帰り、講師間でも、模索したいと思います。
加えて、私も3年ほど英国に暮らし、アロマセラピストとして働いたときの経験を思い出すと、日本国内で、英国のような導入事例に次々とつながることは、文化や習慣など、人々の考え方からは、実際には難しいと考えられますが、香りが人間にもたらす効果というのは、国籍がかわってもかわることはないのです。
私たちは、病気になれば落ち込むし、心に痛みや苦しさを感じていると、いつの間にか体にも影響するのは、世界中の多く人で共通なことかもしれません。
様々なことから、香りによる心身の不調和の改善、病気で治療されている方へ、安全性を踏まえた補完療法、ライフスタイルの支援など、それを必要としている人に、届けていきたいと思います。
<予告>
以前より、志高く学んでくださっているIMSIの卒業生、在校生に向けに今回の報告会もしたいと思います。
英語の超好きな方、本をコツコツ読む、文字情報が得意な方、薬剤師さん(今回は薬学の話多かったです)看護師、医療関係者の方で、IMSIで学ばれた方も、多いと思います。
そんな方の解読応援も、とてもウエルカムです。
もちろん、そうでない方もウエルカムです。
ロバートは「今回僕のセミナーで話すこと吸収するのは2%くらいかもしれない」なんていうジョークみたいなものから始まりましたら。
じゃぁ英語が?の私は、何パーセントになるんだ??(笑)
新しい学びを、もっと楽しく、一人でコツコツより、グループの場から得たい方、ぜひ予定を開けてご参加くださいね。
日程決まったら、お伝えします。
さて、私は、英国から昨日、パリに移動しました。
IMSI卒業生の方のパリでの活動をサポートすべく、精油ブレンドの監修を現地でまとめるのが大きなお役目ですが、他にはいくつか訪問を予定しています。
また、世界的な香りの博物館もありますし、歴史と文化の街ですし、さまざまなものを吸収していきますね。
さて、予告どおり、ものすごい長い投稿になりました。
こちらの投稿を途中で、閉じずに、読んでくださった方、
途中のマウスをクリックしたくなる場面がたくさんあったかもしれません(^^♪。
最後までお時間をとっていただき、ありがとうございました。