2020.08.07
発達支援ー原始反射を統合する運動の例
大人、子どもに限らず、学習障害や発達障害をみてもらっている医師や療育、その他の健康の専門家を訪ねた際に、
「原始反射が残っているかもしれませね」
と言われることが多いのだそうです。
私のところでも、セッションのお問い合わせは、クリニック(グルテンフリー法などの栄養療法が多い)、目の専門家、療育、発達支援センター、心理カウンセラー、整体院などの経由で「原始反射の影響があるかもしれない」と伝えられて、いらっしゃる方が多いです。
↑ 学習のピラミッド、日本語訳一部編集
実際にはどのような「動き」が原始反射の統合や発達をサポートするでしょうか。
最初に、考えるのは、楽しみながら、身体をつかった遊びをしていたら、
ある程度は自然に発達するということです。
ですが、現在は学ぶ場所や環境面から、
「のびのびとした身体アプローチが」が体験しにくくなっているケースもあります。
ということで、より脳と身体をつなぐ、発達に役立つ動きを、
乳幼児期の身体動作を元に、表にまとめてみました。
原始反射や発達をサポートする運動例
1, 立位以外の姿勢で行う運動 |
うつ伏せでほふく前進、うつ伏せ姿勢で遊ぶ 四つん這いで「はいはい」の動きをする 身体をローリングさせる 前転、後転、マット運動、バランスボール運動 |
2. 道具を使う運動 |
さまざまな球技とそのもとになる身体動作 ボールをキャッチする、蹴る、ラケットをもつ 昔からある遊び、駒まわし、おはじき、お手玉、凧揚げ 風船、なわとび 楽器あそび |
3、触覚や身体感覚をじっくり味わえる運動 |
動物の動きを真似る 砂の上をはだしで歩く、芝生の上を歩く、 泥遊び 片足立ちになる、ケンケン 手をつないで走る、歩く、遊ぶなど |
↓
①立位以外の姿勢で行う
乳幼児期にある「立って歩きはじめる前段階の身体動作」の発達は、姿勢を維持するための能力の土台になります。
四つん這い、仰向け、うつ伏せで行う運動は背中と腹部の筋を刺激し、体幹の力をつけます。加えて腕や脚の筋力の向上、全身の協調、バランス感覚を身につける下地として役立ちます。
②道具を使う運動
ものを扱うことで、視覚や聴覚、触覚などの感覚が多角的に刺激されます。また、道具があると「きづいたら、身体を動かしている」という状況を生み出しやすくなります。
表中の例では「球技」と書きました。しかし、発達障害のあるケースでは「球技がキライ・苦手」という多くみられます。その場合は運動そのものの難易度をさげるとよいでしょう。例えばボールより動く速度が遅くなる風船を使ってもいいでしょうし、タオルを結んでまるめてボール代わりにしてキャッチボールをすることもできます。
キャッチしやすくなったり、タオルなので、あたっても痛くないと感じたりすることで苦手感や恐怖感を減らしつつ「できた!」という達成感が味わえます。
③触覚や身体感覚をじっくり味わえる運動
砂や草、泥に触れ、その上を歩くことで触覚が刺激され、身体感覚の成長が促されます。また、人間が立位のとき、最も安定する姿勢は両足で立つことです。
これが片足立ちになるとバランス感覚をより必要とし、さらにケンケンになると、不安定な状態で身体をコントロールする能力や内的なリズム感覚を整える必要がでてきて、より高度な発達につながっていきます。こうした運動が含まれる代表的な例に「鬼ごっこ」があります
バランス感覚を促すといっても、1日ですぐにつくというわけではありません。片足立ちやケンケンが難しい状況では無理に行わず、まず線の上をまっすぐ歩くというエクササイズから試してみるとよいでしょう。線はロープでつくってもいいですし、マスキングテープを床に張り付け、その上を歩くという方法もあります。
視線をさげ、マスキングテープを見ながら、小さな歩幅で前に歩きます。慣れたら、後ろ向きに歩いてみましょう。
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脳と身体のつながりを目覚めさせるだけでなく、心地よく動かして、
未来につなげていきたいですね。
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