2026.04.21
日本産精油と五行の叡智~スピリットとアロマセラピー和精油編 レポート その3 精油の五行の中の五行
その1 南会津の里山、その2 AEAJグリーンテラスからのつづきです。
いよいよ始まりました!ガブリエル・モージェイ先生による来日セミナー「日本産精油と五行の叡智~スピリットとアロマセラピー和精油編」。

日本全国、そして海外からも、熱心な受講生さん達がガブリエル先生から直接学ぶために集まってくださいました!
今回の講座の主なテーマは、和精油を含む約30種の精油について、その起源や化学組成、薬理学、歴史、民族植物学、東洋医学的・エネルギー的作用など……「ガブリエル流」の視点で見つめること。
その中でも、特にガブリエル先生がフォーカスしたのが、「芳香エネルギーをベースとした精油の五行分類」です。
例えば、針葉樹調やカンファー調の芳香エネルギーを持つ精油は「肺」の機能を促進し、五行の「金」を調和してくれます。
ドライウッディや根のような芳香エネルギーを持つ精油は、「腎」の機能を促進し、五行の「水」を調和してくれます。
フルーティーや甘くハーブ調の芳香エネルギーを持つ精油は、「肝」の機能を促進し、五行の「木」を調和してくれます。
フローラルやスパイシー調の芳香エネルギーを持つ精油は、「心」の機能を促進し、五行の「火」を調和してくれます。
甘くウッディ調やミント調の芳香エネルギーを持つ精油は、「脾」の機能を促進し、五行の「土」を調和してくれます。
このように、芳香エネルギーを基に精油を分類することで、五行のバランスを回復させることができ、臓腑やスピリットの調和を整えることにも繋がるのです。

……しかしながら、精油は何百もの芳香成分の複合体であり、精油の持つ芳香エネルギーとは、ひと言で言いきれるほどシンプルではないのです。
例えば、「根のような芳香エネルギー=水の要素」といっても、ベチバー精油はその中にグリーン調の香りを持ち、アンジェリカ精油は土のような香りを持ち、ジンジャーは精油スパイシーな香りを併せ持っています。
そこで、今回ガブリエル先生がこの講座のために用意したのは……「五行の中の五行」の特別チャート!
「五行=5分類」と思っていた受講生の皆さまが、実際には30に細分化されたチャートを手にして、思わず目を丸くされていたのがとても印象的でした。

例えば、ジンジャー精油は、根のような芳香が「腎」に働きかけ、スパイシーな芳香が「活力」を与えることから、「水の中の火」の精油であり、自信を喪失して活力を失ったときにサポートしてくれます。
このように、「五行の中の五行」を知ることで、単に「水の精油=腎に良い」という枠を超え、心・身体・スピリットに対してより精密にアプローチできるようになります。
更に、この「五行の中の五行」チャートの良いところは、クライアントがその香りを好まない場合の代替精油の選択にも応用できるのが大きな魅力です。
例えば、「水の中の火」であるジンジャー精油の代わりとして提案できるのが、「火の中の水」であり、これに相当するのがシナモン精油となります。
この甘くスパイシーな香りは、スピリットを温めることでモチベーションを高めてくれることから、結果的にはジンジャーと同様に、自信喪失ややる気の低下など、水の要素の不調和にも役立ってくれるのです。
このように、単なる分類にとどまらず、臨床やブレンディングにどう活かすかまで導いてくれるところに、臨床家であるガブリエル先生の真髄があります。

精油の五行分類に加えて、ガブリエル先生が伝授してくれたたのは、精油の持つ力を「強壮」「調整」「発散」の3つに分類する考え方です。
これは東洋医学に基づいていて、気血の補充・巡りの調整・不要なものの排出といった治療的視点で精油を使い分けていきます。
鍼灸・指圧の臨床経験を持ち、漢方薬の代替として精油を活用してきたガブリエル先生ならではの、非常に実践的な内容でした。

「イギリス出身の私が、日本の皆さんに日本の精油を語るなんて……、おこがましい!」と謙虚に語られていたガブリエル先生。
しかし、今回のスライドはなんと530枚に及ぶ大作!その探究の深さに、会場中が圧倒されました。
今回紹介された精油は、以下の通りです。
●金の要素
トドマツ (Abies sachalinensis; A. firma)
高野槙 (Sciadopitys verticillata)
スパニッシュセージ (Salvia lavandulifolia)
クラリセージ (Salvia sclarea)
●水の要素
シダーウッド(Cedrus atlantica)
杉 (Cryptomeria japonica)
ヒバ (Thujopsis dolabrata)
ヒノキ (Chamaecyparis obtusa)
ミズメザクラ (Betula grossa)
ジンジャー (Zingiber officinale)
ベチバー (Vetiveria zizanoides)
●木の要素
晩白柚 (ポメロ) (Citrus maxima)
ベルガモット (Citrus bergamia)
柚子 (Citrus × junos)
スダチ (Citrus sudachi)
橘(Citrus tachibana)
カモミールジャーマン (Matricaria recutita)
カモミールローマン (Chamaemelum nobile)
●火の要素
ラベンダー (Lavandula spp.)
芳樟 (Camphora officinarum syn. Cinnamomum camphora)
黒文字 (Lindera umbellata)
ローズ (Rosa spp.)
ネロリ (Citrus aurantium var. amara)
●土の要素
ニオイコブシ (Magnolia salicifolia)
山椒 (Zanthoxylum piperitum)
月桃 (Alpinia zerumbet)
薄荷 (Mentha arvensis var.piperascens)
サンダルウッド (Santalum spp.)

ご参加くださいました皆様、応援してくださいました皆様、本当にありがとうございました!
初のガブリエル先生の和精油のコースの修了、おめでとうございます!
アカデミックでありながら、ユーモアもたっぷりで、どこかドラマチックで心を揺さぶられる時間——「ガブリエル劇場」でご一緒に学べたこと、心から嬉しく思っています。
化学や民族植物学はもちろん、数秘や占星術もプロレベルのガブリエル先生から直接学んだ2日間。
頭がパンパンになったかもしれませんが、ぜひこれからの日常や活動の中で、少しずつ“ご自身のもの”として育てていただけたら嬉しいです。
実は、今回のコースの続編として、和精油を中心とした「五行の中の五行」を更に深め、臨床的、実践的な精油ブレンディングを極めていくオンラインコースを企画中です。
ガブリエル先生のブレンドは、皇帝・大臣・アシスタント・メッセンジャーの4役構成。
もちろん、香りのアートとしてブレンディングを行う際には、10種類の精油を混ぜることもありますが、これではひとつひとつの精油成分がその薬理作用を発揮する量には満たないのです。
そのため、香りの美しさと薬理作用の両立を考えたとき、最も臨床に適しているのが「4種ブレンド」なのだそうです。
私自身も、今回の続編をとても楽しみにしています。

そして最後に、和精油について。
多くの和精油は、間伐材や枝葉、果汁を絞った後の果皮など、これまで廃棄されていた資源から生まれています。
つまりそれは、「価値がない」とされていたものに、新たな命が吹き込まれた存在。
私たちが和精油を使うことは、天然資源の有効活用や地域活性にもつながっていきます。
さらに、日本人にとってはどこか懐かしく、安心感をもたらす「郷愁のアロマ」として、和精油は医療や介護の現場でも大きな可能性を秘めています。
アロマセラピストの皆さま、ぜひ日本産の和精油も、日々の実践に取り入れてみてください。
そしてまた、「ガブリエル劇場」でお会いできるのを楽しみにしています!
今回の「日本産精油と五行の叡智~スピリットとアロマセラピー和精油編」の資料作成にあたり、国産精油に関する情報および写真をご提供くださいました企業・団体の皆様に、心より感謝申し上げます。(順不同・敬称略)
株式会社フプの森
株式会社一十八日
株式会社SORRY KOUBOU
株式会社Rose Cheek
オークヴィレッジ株式会社
神山しずくプロジェクト
戸田森林組合
池田薬草株式会社
株式会社プロジェクトデザイン
株式会社エコロギー四万十
日本月桃株式会社
株式会社滝上町和ハッカ・ラボ
薫風 株式会社
株式会社やわら香
交告製材株式会社
Locogne
ケイブナチュラルセラピー
