2014.06.23
スポーツのための脳と身体のつながり、原始反射からみていく①
スポーツのためブレインジムと原始反射アプローチ
本日から、しばらく、原始反射について投稿していきます。
↓
昨年から意識して取り組んでいる活動がスポーツ分野における、脳と身体のつながりです。
最初のきっかけはブレインジムや原始反射などを学んだ初期の頃のこと、
「えー?なるほど。これは面白い!」、
「現役の時に知っていたら、もっと別の可能性があったかも」、
「えっ?自分の身体の中で、まだ、眠っていることがあるのね」、
「スランプのときって、こんな風に脳をつかっているんだ……」
と、たくさんの自分に対する新しい気づきや発見をしたのです。
実際の体験でもそうですが、理論や考え方で大きな影響を受けました。これを教えてくれた人が魅力的だったことも。
アメリカの先生方でしたが、相手にストレスやプレッシャーをかけずに指導するのに、学んでいる人が、自分の足で進めるように声をかけ、伴走しているのを見たからです。それもとても「わかりやすい方法」で。
「人の才能を伸ばすのに、こんな方法があるのね、知らなかった! 私も、もっと、もっと勉強してみたいし、できるなら、こんな人になりたい!」
と、理想をもったことを覚えています。
さて、私は小学生から大学まで、ずっと競技スポーツをしていました。3年以上もの間、0,1秒もベスト記録が更新しない、というスランプも経験したことがあります。
今、当時を振り返ってみると、ものの見方、脳の使い方そのものが、ずいぶんと限定されていたことに気付きます。
そして、ここ10年、学び続けている中で「自分がまだまだ開発されている」感覚がわかり、スポーツや子育て、仕事をしていく中でも、自分の能力に幅がでてきているのが分かります。
この年になって、楽しいことが増える、能力があがるなんて嬉しい限り
自分の体験もそうですが、運動やスポーツをしている人とセッションをしながら、感じたこと、
それは、スポーツをしている方にも、私と同じように
「脳と動きのつながり」について学びたい人がいるのでは?
と思い、スポーツ向けのブレインジム&原始反射ワークのプログラムを始めたのです。
活動報告はこのブログでも少し紹介していますので、
ご興味のある方は、どうぞご覧下さいね。
原始反射とは?
原始反射は人が成長していくプロセスの中で現れる反射的な身体の動きで、主に胎児期から新生児期にみられます。
胎児や新生児では、自分の意志によって身体を動かせるほど、大脳が発達していません。
その代り、特に脳幹と呼ばれる原始的な部位で身体を自動的に動かしながら、自然に成長、発達をする力をもっています。原始反射は手や足の動き、首の動き、全身を含む動きなど、いくつかの種類があります。
各反射は、
反射の動きがみられる(出現)
→頻繁にこの動きがみられる(発達)
→この動きがみられなくなる(統合)というプロセスを経過していきます。
ひとつの原始反射が、また別の原始反射をサポートするように出現し、統合し、最終的には、反射的な動きの世界から、人間が自分の意志で動けるように脳を徐々に発達させていきます。
これらの原始反射は
●恐怖に対する反応、
●バランス感覚や空間認知能力、
●姿勢維持、
●身体の各部位を連携して動かすこと、
●上半身と下半身の協調や、
●左右の協調など、
多くの発達の基礎となるだけでなく、より人間らしい脳の発達として大脳新皮質や辺縁系への発達にも影響しています。
発達の土台となる原始反射の統合
赤ちゃんの時の運動不足や環境要因など、様々な理由が言われていますが、なんらかの原因によって発達プロセスが不十分のまま身体が成長し、原始反射の統合が行われず、発達のプロセスに「ギャップ」が生じてしまうことがあります。
少しであれば、気づかなかったり、気にならかったりする場合もありますが、発達の土台が「グラグラ」することで、その後の学習や運動能力に困難を感じることがあります。
原始反射が統合されていないときに、みられる例として
「姿勢よく座り続けることができない」、
「過度に怖がりである」、
「勉強と運動が苦手」、
「感情のコントロールが苦手」
などがあります。
心身を含めた行動面で様々な反応が、無意識的にでるため、本人としては、自分でコントロールできないような感覚をもったり、周囲や親、指導者などからは「なんで、こうなの?」と理解されずに、コミュニケーションで問題を抱えたりすることがあります。
では、続いて、次回から、代表的な原始反射について、運動やスポーツと関連づけたり、イメージしやすいような言葉でまとめていきます。
続く