2025.02.07
アロマでおこなう「ホリスティックな痛みの緩和」とは?
緩和ケア病棟のアロマセラピスト、これは大学病院の精神科でうつ、PTSD、自閉症、ADHDなどを持つクライアントを担当する心理学者ジョナサン先生のもうひとつの顔です。
20年前、ジョナサン先生はがんと診断された友人に頼まれてアロマセラピートリートメントをおこなったとき、「これは自分の仕事だ!」と確信したのだそうです。
孤独の闇にいる人に「上を向いたら光が見えるよ」と手を差し伸べるのがアロマセラピストの仕事であるのなら、がんの患者さんこそ、アロマセラピストの手が必要だと気付いたのです。
その友人のお陰で、ジョナサン先生は緩和ケア病棟で子どもから高齢者まで、がんやその他の病気を持つ多くの患者さんにアロマセラピーを提供することになりました。
「痛みが辛いから来てほしい」と患者さんから電話があり、夜中にアロマを用意して駆け付ける日もあったそうです。

炎症性の痛み、腫瘍の痛み、神経痛、筋肉痛、手術や生検、化学療法など治療や検査に伴う痛み、褥瘡の痛みなど……、患者さんが訴える痛みには、さまざまな種類があります。
精油の中には、鎮痛作用をもつ物も多くあり(ウインターグリーン、バジル、ペパーミント、クローブなどがよく知られています)、アロマが痛みの緩和の助けになることは、言うまでもありません。
しかし、ジョナサン先生が精油の薬理作用以上に重視しているのは、痛みを一人で抱え込み、孤独な状態に陥っている患者さんへの「ホリスティックな痛みの緩和」です。
この「ホリスティックな痛みの緩和」とは、セラピストが患者さんに寄り添いながら、アロマとタッチで「幸せな記憶」を呼び起こすことで痛みを和らげていきます。
「ハイッ」と鎮痛剤を手渡すような手軽さはありませんが、その代わり他人から理解され難い原因不明の痛みや心因性の痛みにも有効で、何日も塞ぎ込んでいた患者さんが、パッと明るい笑顔を取り戻すことも多いそうです。
「患者さんを笑顔にさせるためなら何でもする!」というのがジョナサン先生のスタンスで、アロマのブレンドをつくるために、患者さんの好きな食べ物や好きな場所、家族旅行で訪れた行先、使っている香水などを予めリサーチしておくのだそうですよ。

ターミナルケアの現場において、アロマセラピストは特別に重要な役割を果たします。
モルヒネなど鎮痛剤を多く投与すると、思考までボンヤリしてしまい、家族や大切な人たちとの会話をすることが難しくなってしまうことがあります。
そんな時、アロマとタッチングを使うことでモルヒネの投与量が最小限に抑えられ、患者さんが安定した思考でよい時間を過ごすサポートができるのだそうです。
オランダでは、病院にセラピストが常駐していることもありますが、病気になる前から”かかりつけ”だったアロマセラピストが病院に出張することも多いそうです。
アロマセラピーとタッチングには、まだまだ日本では知られていない素晴らしい可能性がありますね。
必要な人の手に届きますように~!
次回は、ジョナサン先生が実際に緩和ケアの現場で使っている手法HEARTS(ハーツ)についてお伝えします。
「痛みに即効性があります!」とジョナサン先生が自信満々に言い切るHEARTS(ハーツ)とは、一体どんな手法なのでしょう?

この春、ジョナサン先生からアロマセラピーを学んでみませんか?
2024年4月12日(土),13日(日),14日(月)エモーショナルアロマセラピー・プラクティショナー養成コース
4月19日(土)&20日(日)痛みの緩和とアロマセラピー~HEARTSプラクティショナー養成コース~
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