2022.06.21
注意散漫、集中できない、じっと座っていられない人への身体アプローチ
近年、多くの子どもたちに見られる「じっと座っていられない」「注意散漫になりがちで、なかなか集中できない」という状況。これらは子どもだけの問題と思われがちですが、大人でも、このようなことが原因でお困りの方が多いと言われています。
そんなときに効果的な方法として「机の上を片づける(片づけるのを手伝う)」、「資料を整理する」、「座る時間を短縮して集中を促す」、「立って作業する」、「ご褒美をつくる」などが伝えられています。
これらの方法は効果的なことも多いのですが、なかには「一時的には良いけれど長続きしない」、「立っての作業はもっと難しい」というケースも少なくありません。
このようなケースでは、行動をかえる以前の問題でもある、じっと座って、注意を持続するための「身体の発達」が未熟であることが多くあります。
特に「原始反射」といわれる身体の発達が未熟である場合、姿勢を維持したり、視覚を適切に使ったりすることが難しくなります。自分のアタマではもっと「集中して作業したい!」と思っているのに、カラダ(行動)がうまく反応せず、座ることそのものが不快だったり、疲れたりしたりするために、気が散って、椅子から立ち上がってしまうのです。
このような身体の発達不足が行動面に影響しているときに役立つのが、人間の初期発達に働きかける「原始反射統合アプローチ」です。
原始反射は主に乳児期に発達する本能的で無意識な身体の動きです。
この原始反射の発達を促すアプローチとして、
・マッサージのような方法で触覚から刺激するセラピー
・視覚や聴覚を刺激しながら身体を動かす運動療法、エクササイズ
・家庭でできるストレッチなどのセルフケア
などがあります。
原始反射は10種類以上あり、それぞれに手法が複数あります。また、どの原始反射が統合不足しているかには個人差があります。それぞれの状況にあわせたプログラムを実践するためには、運動発達や原始反射に詳しい施術家やセラピスト、指導者に相談することをおすすめしますが、このブログでは、誰でも取り入れやすく、日々の生活の中での意識したいことを2つお伝えします。これらはセッション時のホームケアとしても、お伝えしているシンプルなワークです。
- うつ伏せの時間をとる
うつ伏せ姿勢になり、可能ならば両腕を身体の横(体側)に伸ばし、頭をもちあげる動きをしてみましょう。姿勢を維持するための背中や首の筋、神経系の発達を促し、原始反射統合のための第一歩となります。
1日に2-3回、1回あたり10秒~2分程度まで。
※反射が統合していないときは、頭を持ち上げても10秒くらいで、すぐに疲れてしまうことが多いでしょう。そのときは5秒くらいでもOKです。
- 腰まわりの筋を使う
じっと座っていられない人に多いのが、腰まわりの筋の質が低いことです。これはガラント反射という原始反射の統合不足が原因であることが多く、骨盤の動きがスムーズではありません。そのため足を椅子にひっかけたり、脚を組んだりする姿勢で座る傾向があります。
腰まわりの筋を動かすには、立つ、歩く、身体をひねる動きが大切です。子どもであれば遊びや鬼ごっこなど、大人であればウォーキングの他、太極拳などのゆっくりとした全身運動も効果的です。また、一般にも普及するエクササイズ道具「バランスボール」や「バランスディスク」などに座って、腰を前後左右に動かすこともよいでしょう。
<メモ>
※不注意や落ちつきのなさ、衝動性などの問題が日常生活に影響する状態が続く「注意欠如・多動症(ADHD)」が増えていると言われます。ADHDの診断をうけているかの有無に限らず、上記のセルフケアは、優しい身体アプローチのため、他の疾患や筋骨格に問題がない場合に限り、安全に取り入れることができることができます。
少しの工夫で、身体から脳にスイッチをいれることもできますし、原始反射の発達をサポートすることができます。気になる方は試してみてくださいね。
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IMSIでは、心身のさまざまな問題に働きかける根本的アプローチとして、こどもや大人向けの原始反射統合セラピーのセッションや指導を行っています。関心のある方へ、体験会なども定期開催していますのでお気軽にご参加くださいね。
子どもも、大人もイキイキ、のびのび成長していきましょう。
リラックスと楽しみも忘れずに!
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IMSIの体験会・オープンキャンパス(無料、ご予約制)
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