2026.04.05
この服はダメ、靴下も嫌、触られるのも苦手|触覚過敏と原始反射
うちの子、この服しか着ません。
新しい服を用意しても、いつもの服に着替えたがる。
靴下を履かせても、嫌がってすぐに脱いでしまう。
マッサージをしてあげようとすると、くすぐったがったり、逃げたりする。
大人の方からも、
首のまわりが詰まった服は、気持ち悪くて着られない。
人から触られるのが苦手で、握手やハグはできれば避けたい。
満員電車で人と身体が触れると、それだけでぐったり疲れる。
というお話を聞きます。
どれも、単なる好みでは片づけられないほど、はっきりとした不快感です。本人も、なぜこれほど嫌なのか、うまく説明できないことがあります。
どうしてこんなに嫌なのか、自分でも分からない
触覚は、服、空気、水、人の手などが皮膚に触れたことを受け取る感覚です。同じ刺激でも、ほとんど気にならない人もいれば、チクチクする、くすぐったい、気持ち悪い、怖いと強く感じる人がいます。
小さな刺激を身体が大きな不快感として受け取り、服装や外出、人との関わりにまで影響している状態は、触覚過敏と呼ばれます。
嫌だと思う前に身体が緊張したり、避ける動きが出たりするため、我慢して慣れようとしても難しいのです。
苦手な場所を見ると、関係する反射が見えてきます
原始反射は、赤ちゃんの発達の初期に現れ、生きることと発達を支える反応です。成長とともに多くは消失しますが、子どもや大人になっても残っていることがあります。
背中や腰への刺激が苦手な場合には、スパイナル・ペレーズ反射やスパイナル・ガラント反射が関係することがあります。服のタグ、ウエスト部分、椅子の背、リュックなどが触れるたびに、身体を動かしたくなったり、緊張したりします。
突然触れられることや、人が近づくことへの強い緊張にはモロー反射、手や顔に触れられることへの不快感には、把握反射、バブキン反射、口唇探索反射などが関係することがあります。
靴下の感触が嫌で脱ぎたくなる、椅子に座ったときに足裏を床につけるのが不快という場合には、足底反射やバビンスキー反射など、足の原始反射が残っていることがあります。
身体のどこに触れたとき、どのような不快感や動きが出るのかを見ると、関係する反射が少しずつ見えてきます。
原始反射を知ると、不快さに別の答えが見つかります
触覚過敏がある方の原始反射を確認すると、触れた場所に対応する反射が出ていることがあります。
この服が嫌なのは、わがままだからではない。
人に触れられないのは、相手が嫌いだからではない。
足を床につけられないのは、落ち着く気がないからではない。
原始反射が残り、皮膚への刺激に身体が自動的に反応していると分かると、これまで理由が分からなかった不快さを、身体から見直せるようになります。
原始反射の基本については、「原始反射とは? 緊張しやすい、疲れやすい、うまく動けない身体の理由」でも紹介しています。
着られる服が増え、触れることがストレスでなくなる
原始反射の統合後、決まった服以外も着られるようになった、靴下を履いていられるようになった、人に触れられても身構えにくくなった、マッサージを心地よく受けられるようになった、という方がいます。
子どもにも大人にも、触れることへの不快感が減り、着替えや外出、人との関わりが楽になったと話す方がいます。
触覚をなくすのではなく、必要な刺激を受け取りながら、安全な触れ方を不快に感じずに受け取れるようになる。そうすると、毎日の小さなストレスが減り、選べる服や、行ける場所、できることが増えていきます。
理由の分からない触覚の不快さが続くときは、残っている原始反射を確認してみることが、新しい選択肢になります。
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※触覚過敏には、さまざまな要因があります。触覚の特徴だけで原始反射を判断することはできません。強い痛みや皮膚症状、日常生活への大きな支障がある場合は、必要に応じて医療・教育などの専門家へご相談ください。
